高橋洋一「これが「埋蔵金」の真相だ」を読む。

 何気なく新聞を読んでいましたら月刊現代の2月号に高橋氏の論説が掲載されているということで早速チェック。既に韓リフ先生が要旨を纏められていますが、埋蔵金伝説云々については「伝説」ではなく「事実」であるのは明白でしょう。本丸である財務省が認めてしまっているのですから。
 財政赤字の解消を進める上では、名目成長率の向上による経済環境の下支えがまず必要であり、その中で特別会計の資産圧縮や歳出削減策をとっていくべきでしょう。それでも尚且つ難しいということであれば増税という選択肢がありえるというわけです。このあたりの論説は全く同意ですね。
 高橋さんの論説を読んでいて、財務省が景気上昇に伴い金利が上がる懸念から安易に「上げ潮」を採用したくないという誤解をしているという点や、日銀が国債を購入することでハイパワードマネーを増やさないのは面子によるのだという指摘は、「そんな話も成立しうるのかなぁ・・」と半ば半信半疑で読みました。半信半疑の意味は財務省や日銀の人々がそんな当たり前のことをなぜ考えるのかが理解できないという意味ですが(笑。ちなみに面子云々についてはグリーンスパンの自伝にも述べられてますね。
 論説を読んでいて、以前SNAベースのバランスシートの推計作業を行ったことを思い出しました。
 資産分類が粗いため他のデータと接合させることが難しく、公的部門の実物資産を推計するにしても国富調査が1970年のものが直近であるため困難を要すること、(私は担当していませんが)退職給付金や公的年金の資産・負債の推計に際しては将来債務が明示されておらずかつ財政再計算からの情報では必ずしも明確な把握が困難であること、キャッシュフロー法に際して適正な割引率を求めるために苦労したこと・・等々。現在では国のバランスシートも公表されているわけですが、当時31の特別会計について資産・負債差額を求めていくのは大変な作業だと推察します。

(追記)月刊現代の回し者ではありませんが(笑、例のごとく国平修身氏の「政界ディープスロート」&音羽人事観測所も大変面白く読みました。福田内閣改造話もちらほら出ていますが、「漂流政権」言い得て妙だと感じます・・orz...