2006-01-01から1年間の記事一覧

今年を振り返って

下でごちゃごちゃと予定を書いてみたのですが、年末営業のせいかほぼ無理な状況と相成りました。 今年もブログを通じて色んな方からコメントを頂いたのですが、勉強させられることしきりでした。ということで僕の中でインパクトのあった事件(経済に限る)を…

齊藤誠「成長信仰の桎梏 消費重視のマクロ経済学」

韓リフ先生、大竹先生の刺激あふれるエントリに感化されて購入。ここ数週間、経済本で興味深い(ハード系)の本があまり刊行されていないと思いますのでその意味でも興味深いですね。まずは読んでみてから感想を書いてみたいところですが、中身は読んでいな…

今後の予定などなど

ちょっと通常業務が忙しくて中々エントリする暇が作れないところですが、年末までの予定*1 クリスマス終了後に余力があればどんどんエントリしていきたいところです。どこまでいけるかは未定です。1.構造的・摩擦的失業率の推計(その3) UV曲線の改良の試み…

Carlo A. Favero,Applied Macroeconometrics

本の紹介ばかりですみません。中々エントリしたい話題までたどり着けない毎日なのですが・・・。こちらの本は以前紹介した加藤氏の新刊の良い導入になるのではないかと思って購入。大体ざっと読みましたが、戦後の計量経済学の流れを踏まえつつ、動学マクロ…

加藤涼『現代マクロ経済学講義−動学的一般均衡モデル入門』

以前苺経済でも(加藤氏?が登場して)話題になっていた本。内容を見てから購入しようか判断しますが、16日発売ということなのでご紹介。まだはまぞうに反映されていないようですが・・。章立てをみる限りではモデルのテクニカルな側面について特に興味深そ…

JIL『構造的・摩擦的失業の増加に関する研究』(中間報告)他

構造的・摩擦的失業率の推計に関連して、mixiでラスカルさんから教えて頂いたもの。結局UV曲線の推計をどう行うのかは、観測期間を区切って推計するか、もしくは長期のデータを対象にするかに帰着すると思うので、両者の判断に際しては理論的な判断基準に従…

どうでもいいですが。

福井日銀総裁の発言。いつもながらの低い金利水準は適切な調整が必要であるとのお話。そして、利上げタイミングについては市場にサプライズを与えない程度に「早すぎず遅すぎず」行うとの事です。 ところで僕が笑ったのは、ロイターの記事*1の以下の文面*2。…

新井啓「株式投資のためのケインズ経済学」、小塩隆士・田近栄治・府川哲夫編「日本の所得分配 格差拡大と政策の役割」等々

「株式投資のためのケインズ経済学」はゼミの先輩だった新井さんの新著ということでご紹介。まだ購入していないのですが、内容説明をみると、日銀が2002年11月下旬から株式買取を始めたのはなぜか、景気回復にはなぜインフレが必要なのか、株を買うこ…

ブックマークの使い方

はてなに移行してから随分たつのですが、「はてなブックマーク」、これどう使ったら良いのか謎なんですよね(汗。ブックマークしてコメントを書く欄があるのですが、こちらは感想を書けばいいのかなぁ。ちょっと良く分からないのですが、こつこつブックマー…

構造的・摩擦的失業率(1967年第1四半期~2006年第3四半期)の推計(その2)

(その1)では、直近時点における構造的・摩擦的失業率の水準につき、「労働経済の分析」で適用されていた分析手法(UV分析)に基づいた推計結果を紹介した。それによると、02年第1四半期以降の期間についてのUV曲線の推計結果は良好である。尚且つ「労働経…

構造的・摩擦的失業率(1967年第1四半期〜2006年第3四半期)の推計(その1)

「平成17年版労働経済の分析」では、UV曲線を仮定した上で、一般化最小二乗法を適用してパラメータを推計し、構造的・摩擦的失業率の算出がなされているが、「平成18年版労働経済の分析」では構造的・摩擦的失業率の推計についてはふれられておらず、直近年…

景気探偵に聞いてみよう。

ということで。 つhttp://bizplus.nikkei.co.jp/keiki/body.cfm?i=20050922c7000kk視点はとても面白いと思います。データを延長させてみてもここで挙げられている関係が見出せるのでしょうかね。

日銀レビュー:「近年の製造業の設備投資増加について」を読む。

今般のわが国の経済拡張期に際しては、民間企業の設備投資の増加、特に製造業の旺盛な設備投資の拡大が経済の拡大に寄与しているとの指摘がなされている。日銀レビューでは、これらの点について解説しているが、概要と感想を纏めてみたい。1.製造業の設備投…

クリスマス気分にしてみました。

仕事が忙しくて中々更新できない昨今ですが、クリスマス気分ということでスキン変更。 どうぞ宜しくお願い申し上げますm(@)m (文字サイズを「小」にされるといい感じだと桃割れ)

フリードマン逝去

既に韓リフ先生のところで纏まったエントリがなされているところですが、16日に逝去されました。ご冥福をお祈りします。 マネタリスト学派のリーダであったフリードマンの影響力は近年さらに増大しているように感じます。ご案内の通り、フリードマンの打ち立…

飯田泰之「ダメな議論−論理思考で見抜く」

飯田先生の新著。ダメな議論に陥りがちな自分にとっては非常に参考になる本だと思います(まだ購入していないのですが、多分そうでしょうw)。経済学思考の技術も御読みでないかたは是非一読されることをお勧めします。ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま…

森永卓郎「悪女と紳士の経済学」他

森永氏の名(迷)著。*1僕の中では恋愛経済学といえばこちらですね。ロジックがきちんと整理されていない箇所もあるのかもしれませんが、まさに恋愛経済学の分野での「国富論」に相当するというと言いすぎでしょうか(汗)。でも面白いアイディアがいっぱいで…

聞いたことがない「経済学」が氾濫している件について

自分が聞いたことが無いからどうだというつもりはありませんが、経済2.0って何?複素経済学って何?経済成長しなくて良いって何?「実から虚へ」って何?最近のブログをにぎわしている話題は分からないことだらけです。全て、既存の「経済学」が答えを提供し…

根井雅弘「経済学の教養」

打ち合わせのついでに立ち寄った本屋にて購入。社会人の方との勉強会のために本書の内容を書き下ろした上で、議論を通じて練り上げるという形をとった書籍との事です。 内容は過去の経済学者の諸説をちりばめつつ、「経済学の教養」というものに対しての氏の…

政策目標としての潜在成長率を考える(その3)

その1、その2で言いたいことはほぼ尽きているわけだが、補足的な論点として経済成長戦略大綱で掲げられている実質GDP成長率2.2%を達成することが可能なのか、数値目標として、この実質GDP成長率2.2%はどのように解釈すべきかを考えることにしたい。5.実質…

政策目標としての潜在成長率を考える(その2)

(その1)では、潜在成長率という概念が数値目標として表出した時に持つあいまいさについてみた訳だが、さらに考えるべき点として、「潜在成長率を高める」ということが、「実質GDP」を高めることに繋がるのかという点についてみていくことにしたい。4.潜在G…

齊藤誠「新しいマクロ経済学」(新版)、フェルプス・平山朝治訳「マクロ経済思想−7つの学派」、飯塚信夫、加藤久和「Eviewsによる経済予測とシミュレーション入門」

最近購入した書籍のご紹介。まず最初は齊藤先生の「新しいマクロ経済学」(新版)。専門の方にとっては既知の事なんでしょうが、私のような人間にとってはコツコツ復習がてら勉強する本として良い感じの本だと思います。といっても電車の逝き帰りで読むには…

政策目標としての潜在成長率を考える(その1)

経済財政諮問会議等を中心に、今後我が国が持続的な経済成長を為しえていくためにどのような方策が必要であるのかが盛んに議論されている。政府で語られているのは、潜在GDP成長率を高めることで高い経済成長率(実質GDPベースで2.2%程度)を達成する、とい…

求められる人とは

以下、mixi日記で書いたのを転載。エントリに特に意味はなし。 先日取り上げた「気概の人 石橋湛山」。示唆に富み面白い本ですが、この中で湛山が年賀状代わりに福沢諭吉の「縁の下の力持」に序文をつけてパンフレットを作ったというくだりがあります。 その…

権丈善一「再分配政策の政治経済学シリーズ」

既に様々なところで紹介されているわけですが、医療・社会保障政策の分野の良心ともいえる権丈先生の本。 私事ですが、遥か昔、権丈先生にはハイルブローナーの著書の輪読でお世話になったのが印象的ですが、ネットで先生の論説を拝見できるとは、ネット社会…

経済学者に「心」はあるのか。

当然ながらマーシャルの言葉「クールヘッド・ウォームハート」の通り、心と理論は表裏一体のものです。なんとなく様々なところで語られる論調をみると、理論としての「合理性」を声高に語る人が多いのだが、実際には「合理性」の中にもそれを判断する人の「…

小島直記「気概の人 石橋湛山」

このところ人物評伝にはまっています。ということで会社の近所の本屋でたまたま小島直記氏の書籍を見つけたので買ってみました。大部の本ですが、詳細な記述が読み手をぐいぐいひきつけるので非常に面白いです。 各章の巻末にある補注も読者の理解を補完して…

エコノミスト、クラシックを語る(爆)(3)

ヴァイオリン協奏曲について 川井郁子氏ではないですが、僕はヴァイオリンが絡む曲が好きです。ヴァイオリン協奏曲だとやはりメンデルスゾーンは外せないと通を自称しない自分は断言できるわけです(笑)。あと主要なのってブラームス、ベートーベン、モーツ…

ノーベル経済学賞2006年受賞者

エドムンド・フェルプス氏(コロンビア大学) http://www.columbia.edu/~esp2/ http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2006/index.html http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2006/ecoadv06.pdf "for his analysis of …

エコノミスト、クラシック音楽を語る(爆)(2)

普通、クラシック音楽を語るとすれば交響曲とかから始めるんでしょうが・・。何分好きな音楽をただ聴くというスタイルですので、もうめちゃくちゃで(笑)。最近発売になった日本人のCDで魅せられたものをご紹介。クラシック音楽じゃないかも・・・(爆)。西…