2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

雑感

この頃海外(欧米)経済学者の議論を読んでいると思うことこれあり。僕が偉そうにいうことではないのかもしれませんが、こういう際に共通言語としてのDSGEモデルが機能しておらず、結局はそれぞれのマクロ経済学的主観に基づいた議論に基づいているというこ…

小池和男「日本産業社会の「神話」」

国際比較は難しい。難しいのは比較をする我が国ではなく、相手側の海外の状況が十分に明らかでないことに原因があるわけです。だからこそ国際比較は難しい。小池先生の新著は、少数の素晴らしい国際比較の研究を通じて、個人間競争、会社好きの日本人、年功…

Academic Earth

これ凄いなぁ。なんと無料でシラー先生やブラインダー先生のお話が聞けてしまうという代物。 これぞまさに駅前留学じゃなくてネット留学(笑) 経済学だけではなくさまざまな分野もありますね。http://academicearth.org/

原田泰・大和総研『世界経済同時危機ーグローバル不況の実態と行方』

原田さん・大和総研の研究員の方々による新作。僕もがんばらないとなぁ@@;本屋でチラ見しただけですのであれですが、面白そう。 とこの本のご紹介にもならなくなってしまったのですが、詳細は書店で確認しながら、韓リフ先生の書評を読みましょう。 余談…

鈴木亘「だまされないための年金・医療・介護入門」、西沢和彦「年金制度は誰のものか」

もうそろそろ新しい財政再計算も公表される(一部出てますが)と思いますので、社会保障関連で。しかしどんな試算結果になるんだろうか。この経済状況だからなぁ。最近出た社会保障関連の書籍で是非読んでおくべき本を挙げろといわれればこの2冊でしょう。「…

Animal Spirits、金融政策の政治経済学

アカロフ・シラー両先生によるAnimal Spirits、ようやく届きました。待ちに待った本なので読むのが楽しみです。やはりこの手の話題を考えないと駄目だ。 そして、恥ずかしながらある先生からお教え頂いた伊藤・カーギル・ハッチソンの本。この点も金融政策の…

しばらく休業

掲題どおり、しばらく休業いたします。おそらくは夏場くらいには復活できるでしょう・・。なし崩し的にそのままかもしれませんが(笑。情報集めは細々と続けようかと思いますが、アウトプットは某mixi日記等々で基本的に行いたいと思います。ドラクエの発売…

円高は何をもたらしているのか?

岡田さんのインサイトコラムの更新頻度が上がっているように感じる今日この頃ですが、マクロ的に見て喜ばしいことです(笑)インサイトコラム(円高イコール交易条件改善は事実ではない、輸出産業の受けた被害)を読んで雑感を。 今月号の文藝春秋で東大の藤…

河上肇が見た「月」

奇縁としか言いようが無いのだが、河上肇みずからの詩作をこの目で直に鑑賞する機会を得た。明月(めいげつ)という、以下の五言絶句である。出獄の翌年(昭和十三年)五月十二日の作。なお、原文は縦書きだが、インターネットのサイト(河上肇「閉戸閑詠」…

ホール/ファーグソン(宮川重義訳)『大恐慌』

極めて不謹慎な言い方なのかもしれないが、現代ほど「マクロ経済学」を学び、「なぜ」を突き詰めていくビックチャンスは無いのかもしれない。 特に我が国の場合は、長期停滞への片道切符(現状では)の第一ステージとしての「失われた10年」、そして第二ステ…

森永卓郎「政府紙幣を財源として強力な景気対策を実行せよ」

森永さんによるわかりやすい解説。お説のとおりですが、何で又こんな簡単な話で喧々諤々の議論になったりするんですかね?通貨の信認が崩れる?わけわからん。日銀がボケーッとして大した緩和策をしないから政府が変わりに通貨発行して金融緩和するだけです…

御礼

田中先生のエントリ(経済系ブログ・ミシュラン2009)で再度ブログをお取り上げ頂きました。ありがとうございます。あまり根気も時間もありませんので、自分が見つけたネタ話&メモ書中心で恐縮です(汗。まぁ僕の能力じゃこんなもんだからいいやということ…

岩田規久男「世界同時不況」、柳川範之「独学という道もある」

昨日取り上げた岩田先生の新刊本の巻末の参考文献を見て発見しました(笑。3月発売とのことですが、紹介されている文面を見ると、世界大恐慌と絡めながら論じられているように想像します。う〜む・・こちらも楽しみ。 アマゾンのリンクはまだなさそうなので…

岩田規久男「金融危機の経済学」

岩田先生の新刊は、現在進行形の経済状況、特にサブプライム危機→世界金融危機→実態経済への波及と流れる状況について書かれたものです。検討されているのは1.サブプライムローン問題の本質は何だったのか、2.それはなぜ世界金融危機を引き起こしたのか、3.…

「特集 世界同時不況の時代」(経済セミナー2.3月合併号)

経済セミナーが次回から毎月刊行ではなくなる(実態は合併号が続いていましたのであれですが)とのことですが、寂しい限りですね。他の経済誌との差別化は難しいのかなぁと思っていたところですが、残念です。 今回の特集は掲題のとおりですが、竹森先生、地…

失業率は今後どのように推移するのか?

将来の失業率の動向を考える際にスタンダードな方法はいくつかある。例えばGDPギャップを想定しつつオークン法則を経由して将来どのようなタイミングで失業率が推移していくかを把握する方法があるだろう*1。ただし、GDPギャップをいかに想定するかは悩まし…

パネル・ディスカッション「激変する世界経済と我が国経済の今後の展望」(参議院『経済のプリズム』第63号)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/frameset/fset_f08_01.htmから。飯田先生、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの芥田さん、そしてみずほ総合研究所の長谷川さんの御三方が議論されています。昨今の状況、政策対応等々についてクリアに論じられており、論…

AMERICAN ECONOMIC JOURNAL:MACROECONOMICSから

今年から刊行されることになった標記の雑誌ですが、なかなか面白そうな論文が並んでいますね。ミクロ版や政策分析、応用経済学といった分野についても刊行される模様です。 今月号は創刊号ということですが、目に付くところでもBlanchard、R.Lucas、Gali、Jo…

矢野浩一「流動性の罠の下での動学的確率的一般均衡モデルと自己組織化状態空間モデリング」(ESRI Discussion Paper)

DSGE祭り(汗も含めて、矢野さんのこのテーマのお話は伺っておりますが、ついに研究成果がESRIのDPとして登場したとのこと。各国がゼロ金利近傍に到達しつつある現状では、このDSGEモデルの持つ重要性は格別でしょう。流動性の罠の状況を含むデータに基づく…

政府紙幣は「異説のたぐい」?

朝日新聞のニュースから(http://www.asahi.com/politics/update/0203/TKY200902030039.html)。小泉政権以降、すっかり影の薄くなっているような気もする経済財政大臣の職にある与謝野氏の一言ですが、財政政策や金融政策がきちんと機能していればまったく…

一海知義『漢詩入門』

段々オッサンになりますと、長い人生を通じて楽しめる趣味のようなものを持ちたくなるものです。趣味といえばいろいろあるわけですが、どれもこれもそれなりにお金がかかりますしこのご時勢できるだけお金がかからず、新しいことを勉強したいと思ったりもし…

松本清張『対談昭和史発掘』と昭和恐慌

本書は1975年1月号の文藝春秋に掲載された「対談 昭和史発掘−昭和50年を迎えて」と、1964年7月から71年4月まで「週間文春」に連載された「昭和史発掘」の全二十話の中で単行本化する際に収録されていなかった第16話と第18話が収められている。 対談の方は松…

雑感

この頃忙しくてまともにエントリかけないところですが、ブログ界隈を見ていますと人々を混乱に陥れるような言説を垂れ流している御仁が約一名いらっしゃいますね。いちいち反論しても疲れますので見ないことをお勧めします。 あんなのが凄いアクセスされてい…