2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

世界的な対外不均衡の拡大、資源価格高騰と我が国のデフレ(その1)

サブプライムローン問題の深刻化に伴い、米国経済は現在、景気後退の様相を呈しているとの声が聞かれるようになった。周知のとおりIMFやOECDといった機関においてもこれまでの成長率を下方修正する動きが進んでおり、世界経済の成長は少なくとも一旦は減速す…

経済セミナー2・3月号

今月の経済セミナーの特集はサブプライムローン問題とグローバルマネーについてです。まだ読んでいないのですが、中々面白そうですね。後は猪木先生の含蓄あるお言葉、佐藤先生のノーベル賞論考、原田さんのLOVEマシーン(笑、若田部先生の連載の最終回、あ…

本日

palさんのブログ等を経由して沢山のアクセスを頂いているので(汗*1、一応参照頂いた手前何か書きたいのですが、palさんが言われているお話は、svnseedsさんがクリアな説明をされています。そちらをご覧ください。 *1:リンク先のブログはアクセス数多いんだ…

サブプライムローン問題と米国経済の行方

Economistや各種ブログでも話題のReinhart and Rogoff(2008)*1。我が国のバブル崩壊から失われた十数年にいたる「人災」の道筋の言及とこのReinhart and Rogoff(2008)を交えた竹森俊平教授の論説は今週号のエコノミストをご覧頂きたいが、以下、論文の概要を…

Whats New in Econometrics?(by Wooldridge)

NBERのサイト。ちょっと前から出てますが、パネルデータ分析の講義を(タダで)視聴できるという優れもの。 中々為になります*1。ご参考まで。http://www.nber.org/minicourse3.html *1:K君、教えてくれて有難う!

ラニー・エーベンシュタイン(大野一訳)「最強の経済学者 ミルトン・フリードマン」

フリードマンに関する伝記は既に沢山出ており、僕も読んだこともあるのですが、ちょっと最初の方を読んでいたらどうにも立ち読みですまなくなってしまったので購入(汗。面白いです。個人的には巻末に納められているインタビューも興味深い。含蓄あるよなぁ…

07年12月CPIの結果から

1.消費者物価指数の動向 本日、消費者物価指数の07年12月値が公表された。公表結果はご案内のとおりだが、総合指数(前月比0.2%上昇、前年同月比0.7%上昇)、コアCPI(前月比0.3%上昇、前年同月比0.8%上昇)は上昇しており、コアコアCPI(前月比と同様…

嶋中雄二「利下げを示唆するハーバード景気指数」

私が現在所属する会社を知った契機は嶋中さんの論説を通じてでした(汗という前置きはさておき、2月の政策決定会合で0.25%の利下げがあると主張されている嶋中さんの「ハーバード景気指数」を用いた論説です。景気循環統計を駆使した解説が嶋中さんの真骨…

輸入価格と輸入物価、国内物価への波及経路

先日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080122/p1)で原材料の輸入価格上昇が国内物価に対してデフレ要因として作用することをデータを参照しつつ見たが、個別の輸入財価格と輸入物価、国内物価の波及経路はどのように整理できるだろうか。…

Arnold,Bassanini and Scarpetta,"SOLOW OR LUCAS? TESTING GROWTH MODELS USING PANEL DATA FROM OECD COUNTRIES"

久々にNew Economistより。 概要は以下のとおりですが、中々面白そうな論文ですね。余力があれば纏めてみるかもしれません。 In this paper, we test whether the growth experience of a sample of OECD countries over the past three decades is more con…

米国緊急利下げと我が国の状況

昨日夜、米国が緊急利下げに踏み切ったのは既にご案内のとおりです。0.75%という下げ幅とタイミングは予想外ですね。良い意味で市場の期待を裏切ったといえるのではないでしょうか。各種指標の軟調化が見られると判断するや対応策を講じる辺りは適切な処置…

原材料価格の高騰に伴うインフレ期待の行方

近年の原材料価格の高騰やサブプライムローン問題の深刻化を受けて、近い将来我が国経済は物価上昇と実態経済の悪化が共存するスタグフレーションに陥るのではないかとの声も聞かれるようになった*1。 尤も政府の経済見通しや経済予測機関の見通しでは、08年…

内閣府「日本経済の進路と戦略」参考試算を読む。

先日のエントリ(http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080117)にて計測結果の政策的なインプリケーションを中心に纏めたところだが、今回は参考試算そのものについて概要を見つつ、感想を述べることにしたい。1.モデルの枠組み 試算については、マクロ経…

一人あたりGDP関連コメント

近頃の我が国の為替レート換算の一人あたりGDPが大きく低迷していることを持って日本は一流国でないとか、円安に振れている事実を持って「円離れが進んでいる」という論調を読むにつれため息が漏れる今日この頃。寒さも相まってぐったりですね。 勿論、一人…

半藤一利「戦う石橋湛山」(新装版)

新装版が出ていましたので即買。新装版になって内容には変化は無い模様です。 本書は、戦争へとひた走る我が国の世相の中で一貫して拡張路線に反対を唱え続けた石橋湛山の戦前における論考を中心に紹介した書籍です。原文がそのまま記載されている箇所が多く…

シャーロックアヤーーーーーーーっ!!

経済産業省の回し者ではありませんが、当ブログにもシャーロックアヤを光臨させたいと願うところです。 日頃無理な依頼ばかりしてくる官庁だと思っていたのに(爆、やるなぁ〜METI*1!! こんなところに知恵を使うとは。 なんか「プププ・・」の音声とか想起さ…

深尾京司「やさしい経済学−潜在成長力と生産性」

このところの私の仕事の大きなテーマの一つはTFPに関する内外の主要文献のサーベイでして、マクロ&ミクロの生産性に関する推計結果、TFPとは何か?、個票を用いた主要な実証分析をひたすら読み、実証分析についてはサーベイを読んで内容を再生できるレベル…

経済成長と財政に関する4つの選択肢

1.4つの選択肢に関する内閣府試算 本日夜に開催される経済財政諮問会議で具体的に議論される予定だが、内閣府から財政健全化についての参考試算として以下が出されたとのことだ。これは、経済成長率についてA)名目GDP成長率3%前半、B)1%台後半に分け、07年…

経済成長率を高める政策は山ほどある。

今月のVOICE2月号の経済論説は、「驚異的に成長する日本経済」と題しての特集である。その中でも竹中平蔵、ロバート・フェルドマン「増税路線は「自爆テロ」だ!」を興味深く読んだ。以下、印象に残った三点について大まかに纏めつつ、感想を述べることにし…

モナー神社

連休明けに風邪を引いてしまうのはなんともかななのですが(汗、モナー神社に詣でてみました。 良いことありますように。【大吉】 (No.23048) モナー神社 願事 : 他人の助けありて思いのほか早く調う 待人 : 訪れなし来る 失物 : 出づ 手近にあり 旅立 : 早…

脳内荒山徹祭り

仕事の合間に荒山徹の柳生ものを読む日々。「十兵衛両断」が読み終わりそうなので、「柳生雨月抄」を購入しました。もう頭は柳生新陰流で一杯です(笑。とりあえず会社近所の本屋には「柳生薔薇剣」もあることをチェック済みなので、こちらも読みたいところ。…

Ralph Paprzycki and Kyoji Fukao,Foreign Direct Investment in Japan: Multinationals' Role in Growth and Globalization

Foreign Direct Investment in Japan presents a detailed examination of recent trends of inward foreign direct investment (FDI) and their impact on the Japanese economy. Historically much less open to foreign trade and investment than other …

他の先進国と比べ日本経済はどこが特別なのか?

購読されている方も多いと思うが、今週のJMM(No.461号)*1を中々興味深く読んだ。いつも村上龍氏からの質問に対して識者がリプライするという形を取るわけだが、以下の村上氏からの挑戦状に対してどのように答えたらよいのだろうか? 原油など資源の高騰や…

ついに荒山徹に手を出す。

りんご果汁100%で且つ伝説&記念碑となってしまったあの方のコメント欄での議論(http://d.hatena.ne.jp/fhvbwx/)に触発されて、私も荒山徹ものに手を出してみました。 書店に一冊あった『魔岩伝説』を購入し早速読了。時は江戸後期。主人公は遠山景元(所…

遅ればせながら・・。

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。 本blogも開設2年を超え、春になると3年目に突入するわけですが、好き勝手なことを書くというものでも中々大変だなぁと実感します。いつまでネタがあるのかどうか不明ですが、マイ…