ついに荒山徹に手を出す。

 りんご果汁100%で且つ伝説&記念碑となってしまったあの方のコメント欄での議論(http://d.hatena.ne.jp/fhvbwx/)に触発されて、私も荒山徹ものに手を出してみました。
 書店に一冊あった『魔岩伝説』を購入し早速読了。時は江戸後期。主人公は遠山景元(所謂桜吹雪の大紋のあの人ですね)で、幕府と朝鮮との間で定期的に交わされていた朝鮮通信使の存続をめぐって勘定奉行柳生主膳正*1・林大学一派(存続派)とその廃止を目論む白石党(遠山景晋(景元の父)及び遠山景元)が暗躍する様が描かれています。

 正直、あまりの奇想天外さに頭がクラクラするわけですが、エンターテイメントものとして非常に面白い。景元が音無の構えで知られる高柳又四郎の愛弟子という設定という設定にまずのけぞり(笑、朝鮮に密入国するという話にさらにのけぞり、朝鮮忍法(?)の奇想天外さにさらにさらにのけぞり、朝鮮の某所と日光東照宮との類似性に驚き、徳川将軍家と朝鮮のかかわりの解説にさらにさらにさらにのけぞることになるのですが、日本史の隠された真実に迫るその筆致が素晴らしい*2。世人を惹きこむその筆致が凄い。周辺知識があるとなお突っ込みどころ万歳で楽しいんだろうなぁ。

中々書店で販売されていないのですが、次は柳生物を読んでみたいと思います。お手数をおかけしてすみませんが、初心者ですのでどの作品から読んだら良いか、ご教授頂ければ幸いです。

・・・やはり『十兵衛両断』あたりですか??

魔岩伝説 (祥伝社文庫)

魔岩伝説 (祥伝社文庫)

*1:ところで卍兵衛って誰??wwwww

*2:引用されている研究資料が洒落なのかマジなものなのかは不明なところがお恥ずかしい限りですが・・・(笑。いやエンターテイメントですからね