2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1月の公表統計から

本日消費者物価指数(1月分)の結果が公表されていますが、コア指数は前年同月比で12月と同じく0.8%の伸び、コアコア指数も12月と同じく前年同月比で−0.1の伸びですね。先に書いた予想通り、スタグフレーション云々という現象は観察されていない模様です。…

中尾武彦「アメリカの経済政策 強さは維持できるのか」

本屋で偶々見つけた一冊。ここ十年の日米経済の格差の拡大は数字で確認すると明らかなのですが、本書はその意味するところを分かり易く論じています。後段の米国マクロ経済政策の評価や米国金融セクターに対する経済政策あたりが興味深いところだと思います…

田中秀臣「不謹慎な経済学」

田中先生の「不謹慎な経済学」、本日発売ということなのでご紹介。ちょっと会社近所の本屋を巡ってきましたが、さすがにまだ店頭には無い模様です。丸善とか八重洲ブックセンターとかにはあるのだろうか。内容は様々な話題を経済学で斬る!というものです。…

ロバート・A・フェルドマン「お鉢が回ってきた日本」

MM日本国の研究0484号のフェルドマン氏の論説。 金利上限規制、道路財源問題、TOBに関する裁判、日銀総裁、北畑発言といった旬な話題を絡めつつ、昨今の日本株を巡る投資家の心理を解説しています。相変わらず上手いなぁ〜。 論説の最後の、「日本人こそジャ…

今月の月刊誌経済関連論説

今月の月刊誌だと、Voice及び中央公論が経済ネタ充実といったところでしょうか。Voiceなら上の若田部論説、中国関連の門倉論説、株に関する武者論説、といったところが読み応えありますね。竹中さんの法人税特区の話題も面白いのですが、法人税減税は来年あ…

若田部昌澄「財務省は経済成長が嫌い なぜ不景気なのに増税に固執するのか」

若田部先生のVOICE論説。財務省や日銀の政策決定の背後にある思考法・バイアスといったものについて考察が加えられています。これはきちんと感想を書きたいので放置し続けていたのですが・・おかわり出来るレベルで書きたいと思います。

飯塚尚己「10-12月成長率、過度な楽観禁物」

07年10-12月期の速報値に関連しての飯塚さんのコメント。非常にバランスが取れた解説だと思いました。 今後の景気を見通す上でも一つの座標軸となるのではないでしょうか。※http://netplus.nikkei.co.jp/からどうぞ。 (ログインは無料で読めます。)

読んでもらうために気をつけていること

finalventさんのエントリ(http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20080214/1202991000)。 短い文章がすべてダメだとは言いませんけど、読む人がもういらんこれ以上読めないというくらいお腹いっぱいですになるような配慮をしておくと、次回も読んでもらえる確率…

日銀に利下げ圧力、のしかかる結果責任

苺経由ですが、http://www.nikkei.co.jp/neteye5/ota/20080212nbb2c000_12.htmlの記事。ご参考。

SNA07年10-12月期一次速報値

内閣府の発表(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/qe074/pointj.pdf)。 いずれにせよ10-12月期の値は(統計的意味合い&経済データの追加により)二次速報・確報の段階で下方修正が入るのが濃厚ですのでその点は割り引く必要がありますが、暦年ベースの実質…

中央公論「特集:新書大賞ベスト30」

自分の場合、経済関連の書籍&歴史小説を読むので精一杯の状況なので、経済関連の新書以外はほぼ新書にふれることはないのですが、新書ブームもちょっと情勢が変わってきたのかなと感じました。今月の中央公論で新書について特集が組まれていますが、ベスト3…

世界的な対外不均衡の拡大、資源価格高騰と我が国のデフレ(その4)

5.なぜマネーサプライは増えなかったのか (1)再び、デフレはなぜ生じたのだろうか (その2)及び(その3)では、マーシャルのケンブリッジ方程式から物価変化の要因分解を行い、さらに90年代のデータを用いた物価変化に関する実証分析を紹介した。これらか…

ESPフォーキャスト調査から

毎月公表されているESPフォーキャスト調査の2月分が公表されました。結果をみると、07年10-12月期の実質成長率は年率で1.36%、07年度の実質成長率は1.37%、名目成長率は0.89%という見通しです。見通し値は下方修正を繰り返していることが伺われます。今回…

円高が金融危機を救う?

リチャード・クー氏のvoice3月号論説(http://www.php.co.jp/magazine/voice/)。 まずクー氏はユーロ高の原因として、経済が安定して拡大していること、貿易収支に問題がないこと、ECBの通貨・金融政策が透明であること、という三点がユーロへ資金が向かう…

荒山徹モノの続き

カンパニエ*1の動向が気になっている昨今ですが、やっと「柳生薔薇剣」を読みまして、矩香タソ萌え状態になってしまったこの頃です。こう来てしまうと、「柳生百合剣」を読まないことにはオチオチ夜も寝れませんねぇ。暇なときに本屋で探してきますか。 *1:F…

三菱UFJリサーチ&コンサルティング「特集:経済成長を考える」

私が属する会社で定期的に刊行している雑誌「季刊 政策・経営研究」。今回のテーマは「経済成長を考える」です。 全く何も読んでいませんので内容をご紹介できないのですが、ブータン経済について書かれた上田氏の論文は面白そう。 週末あたり読んでみたいと…

株安の理由が分からない町村官房長官へのお答え

6日の日経平均株価が646円安になったことをうけて、町村官房長官は「経済のファンダメンタルズは総じてしっかりしており、なぜこれほど下がるのかわからない」と仰っています。UFOの動向にご執心のあまり国内経済動向を把握しきれていないのでしょうか。 町…

世界的な対外不均衡の拡大、資源価格高騰と我が国のデフレ(その3)

4.物価変化の要因に関する実証研究 (1)物価変化の要因に関する実証研究の例 (その2)では物価の持つマネーとしての側面(マネーサプライとマネーの需要に関する恒等式)から、物価変化に影響を及ぼす要素は、ア)マネーサプライの伸び、イ)実質GDP成長…

ケインズ「雇用、利子および貨幣の一般理論」(間宮洋介訳)

雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)作者: ケインズ,間宮陽介出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/01/16メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 296回この商品を含むブログ (54件) を見る 私は塩野谷先生の訳本を読んだ(というか字面をなぞった…

世界的な対外不均衡の拡大、資源価格高騰と我が国のデフレ(その2)

3.デフレはなぜ生じたのか 以下では、90年以降の長期停滞の過程を概観しつつ、なぜ長期停滞の過程の中でインフレ率が低下し、そしてデフレとなったのかについて議論してみることにしたい。(1)90年以降の長期停滞の概観 我が国の長期停滞が90年代初頭のバ…