2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

政策金利0.3%に

既に報道等がされておりますが、本日の政策決定会合で日銀は政策金利を0.2%下げ、0.3%とすることを決定。詳細は日銀HPにありますが、ご参考まで。4対4で議長採決というところが又なんともですが・・・。http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/k081031.p…

Paul Krugman,The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008、Robert J. Samuelson,The Great Inflation and Its Aftermath: The Past and Future of American Affluence

既に二冊ともご存知のところかもしれませんが、クルーグマンの著作の方は、「the Crisis of 2008」の部分を読みたいところ。サムエルソンの著作の方は兎に角読むwといったところでしょうか。The Great Inflation and Its Aftermath: The Past and Future of…

沢木耕太郎『危機の宰相』、『テロルの決算(新装版)』から

*1来月、文藝春秋から文庫本として、『危機の宰相』、『テロルの決算』が刊行されるとのことだ。『テロルの決算』は未読だが、文庫版刊行をきっかけに読んでみたい。『危機の宰相』は下村治の子息である恭民氏によるあとがきが追加されるとのことである。一…

 正念場を迎えた金融政策と三つの「不幸」

世界的な金融危機の影響により、我が国は円高・株安が急速に進んでいるのは周知の事実である。各国の動向に目を転じれば、米欧は言うに及ばず、アジア各国においてさえも中央銀行が積極的な金融政策を行っているところであるが、金融危機が生じているにも関…

いわゆる「円安バブル崩壊」という話題について

この所の円高の進展を捉えて「円安バブル」の終焉などと言っている方が居るのだが、念の為にこの点について簡単に論じてみよう。円高の進展が「円安バブル」の崩壊だと論じる人々の議論はどのようなものだろうか。彼らの議論の根拠の一つは、まず実質実効為…

週刊エコノミスト11月14日特大号 特集「大不況」&「経済対策「自民対民主」」を斜め読む

一応末席の人間としては毎週チェックしているのですが、日頃頓珍漢な御説にお目にかかることが多い「エコノミスト」なのでほぼ紹介しません(笑。さすがに今回は状況を察してか、中々読ませる論説が並んでいます。印象深いところから簡単に紹介してみましょ…

こういう時節にこそ落ち着いて読むべき一冊とは?

といわれた時、諸兄諸賢の皆さんならどのような本を薦めるでしょうか。この所(と言いますかここ1年くらいそうかもしれませんが)直近の経済動向についてあれこれ頓着する題材が多いわけですが、「まぁちょっとモチツケ」とお思いの向きには、以下の書物な…

米国住宅バブルはいつになったら終わるのか?

今回生じている世界的な金融危機に伴う株安、為替相場の変動の根源は米国の住宅バブルの崩壊が大きく影響していることは衆目の一致した見方だろう。今般の金融危機が収束するには、各国政府当局の具体策がどの程度早期で実施されていくのかといった点が大き…

「奇人」の主張

先日ノーベル経済学賞を受賞されたこともあって、久しぶりにクルーグマンの『経済政策を売り歩く人々』を読んだのだが、この本は米国の経済政策において政策プロモーターが経済学者の真摯な研究成果を食い物としている様、そして戦後米国の経済政策の見取り…

岡田靖『世界的金融危機、日本の教訓は生かされているか』を読む

ロイターインサイトコラムから*1。 今回の岡田さんの論説は、今回の金融危機に際して日本が踏んだ轍をFRBが踏んでしまった点について検討がなされている。詳細は御読みいただきたいが、一点目はリーマン・ブラザースの破綻処理、二点目はMMFと預金保険制度、…

アラン・グリーンスパン『波乱の時代 サブプライム問題を語る 特別版』(山岡洋一訳)

薄くて安価でグリーンスパン視点で見たサブプライム問題についての論説が書かれていて興味深い本です。色々と考え始めると結局『波乱の時代』の本編を取り出して読み直したりしているわけですが・・・・。発売当時よりもグリーンスパンの言葉が意味深に思え…

円が尊敬され、彼が帰ってくる日

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ジョン・ケネス・ガルブレイス『大暴落1929』(村井章子訳)

大恐慌と今般の金融危機との比較を試みた論説がこのところ多く見受けられるようになりました。論の進め方は論者によって様々で一方の極に立てば「大恐慌なみだから危ない」という話もありますし、一方の極に立てば冷静な評価もあるといったように玉石混交の…

竹森俊平『資本主義は嫌いですか』を読む(その2)

先週、世界を襲った金融危機は週末のG7における政府対応を好材料に株価の反転という形で始まった。尤も、米国ダウはサブプライムローン問題が喧伝されるようになった昨年中ばの14000ドル台を基点としてみれば9387ドルという水準は未だ頼りない水準であり、今…

国際カンファレンス「DSGEモデルの推定と応用」

http://www.esri.go.jp/jp/workshop/081114/081114main.htmlから*1。 時間を合わせて是非とも出席したいところです。備忘録代わりに。どれも興味深そうですが、特に矢野さんの報告(3)が楽しみなところですね。 *1:個人的には「DSGE祭り」とでもいいましょ…

上野泰也『虚構のインフレ〜騙されないための裏読み経済学2009』

来週に発売予定の上野さんの新著。「デフレは終わらない」以降の経済状況についての考察と予想。楽しみ。第1章 虚構のインフレ―原油・食品高だけでは本物の「インフレ」ではない 第2章 「原油バブル」崩壊のシナリオ―1バレル=70ドルを超える原油価格は…

Congratulations for winning the Nobel Price, Professor Krugman!

下馬評は必ず当たらないとの評価通り、今回も当たりませんでしたね(笑。随分前(6年以上前かな?)来日されたとき「恐慌の罠」にサインをもらったミーハー者ですが、これまでの業績を考えれば当然の受賞でしょう。 こうなると誰がクルーグマンの業績について…

今般の経済危機をどうみるか?

周知の通り、本年9月に入ってのファニーメイ・フレディマックに対する公的資金の投入、リーマンブラザーズの破綻、メリルリンチの買収、AIGの経営危機、そして10月に入っての世界同時株安というように、サブプライムローン問題に端を発する金融危機はより一…

「不良債権原因説」から金融危機を考える

昨今の金融危機の動向を見ると思い起こされるのはここ10年の我が国の状況であるが、我が国の不良債権残高(リスク管理債権残高)の状況はどうだろうか。金融庁資料からみていくことにしよう。図表はリスク管理債権残高を都銀・旧長信銀・信託と地域銀行とに…

ご冗談でしょう与謝野さん

昨日(6日)のダウ平均が四年ぶりの安値(1万ドル割れ)をつけた最中だが、我が国の株価も日経平均が1万円割れという様相を呈しているところである。さてこんな状況でも「日本経済は底堅く健全だ」と発言するのが与謝野経済財政担当相である。 ロイターの報…

若田部昌澄「丸激トークオンディマンド」(10月4日)に関連して。

お知らせ頂いたこともありまして加入していなかった丸激に加入の上で(仕事しつつ途中までですが)拝見。一言で言うと面白いので是非多くの方にごらん頂きたい番組ですね。 余談ながらあえて放言めいたことをいうと、下のリンクのコメント欄の面々はわかって…

「世界景気最前線」(エコノミスト臨時増刊号)

マイミクの方から教えていただいたもの。本屋で立ち読みしてから購入しようか決めますかね。昨日ご紹介した安達さん、若田部先生も寄稿されています。ご参考まで。http://www.mainichi.co.jp/syuppan/ecozoukan/

日本経済再生の処方箋(月刊現代11月号)

楽しみにしていた月刊現代11月号がやっと発売されました。出かける際に買ってきたのですが、まず以ってトンデモエコノミスト風情のオジサンが全くいないことが素晴らしい。本来経済論説とはこうあって欲しいという特集ですね。まぁ真っ当な議論ばかりされて…