読書

伊藤正直『なぜ金融危機はくり返すのか』、ジョセフ・E・スティグリッツ『フリーフォール』、宇沢弘文・内橋克人『始まっている未来 新しい経済学は可能か』

様々な本が積読状態となっている訳ですが、あまりそれには構わず買える時に購入しようということで、新たに購入した書籍のご紹介。 まず一冊目の伊藤先生の本ですが、こちらは現代の金融危機を考えるために、金融危機を横断的に捉える視点と歴史的に捉える視…

勝間和代・宮崎哲弥・飯田泰之『日本経済復活 一番かんたんな方法』、上念司『デフレと円高の何が「悪」か』

ご存知、光文社新書として本日発売された勝間・宮崎・飯田三氏による鼎談が収録された著作。世界金融危機の震源地であった欧米が紆余曲折を経ながら着実に景気回復の途に入っている一方で、直近の2009年第4四半期のSNAからも明らかなとおり、我が国の経済状…

R.スキデルスキー『なにがケインズを復活させたのか?』(山岡洋一訳)

楽しみにしていたスキデルスキーの最新作。原題はKEYNES:THE RETURN OF THE MASTERなわけですが、この題名からはヨーダを連想するのは仕様でしょうか。第二章あたり(淡水と海水とか、現代的なマクロ経済学への批判的視点の議論)あたりから段々と本領発揮な…

バブル/デフレ期の日本経済と経済政策研究

さて、吉川先生+ESRI編集の第2巻を以前紹介したと思ったら、あれよあれよという間に5巻まで刊行されているこのシリーズですが、3巻、4巻、5巻も勉強になります。3巻についてはどこかに書いたかもしれませんが、意外とマクロ的な話題が重視されている…

松井慎一郎『河合栄治郎 戦闘的自由主義者の真実』

各種書評でも取り上げられていた『ヴィーコ』を購入しようか迷ったのですが、やはりこちらを先に読みましょうか。積読本だらけですが(笑。 自由主義者ということでまず僕の頭に浮かぶのは、本書で取り上げられている河合栄治郎、そして小泉信三なのですが、…

嶋中雄二『太陽活動と景気』

随分前に読んで景気循環論の面白さを感得した嶋中さんの著作が日経ビジネス文庫として再刊されました。 この本が出されたのって昭和62年・・ということは1987年か。もう23年前になるのですね。当然ながら、販売された段階では自分は読んでいないわけですが、…

平山亜佐子『明治大正昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』

「ジャンダークのお君」からニヤニヤしてしまうわけですが、河上肇賞奨励賞を受賞された草稿が基になった著作。ぐんぐん引き込まれ&読めます。昨日近くの本屋に行ったのですが案の定無く、今日行きましたら店員の方が「入ったよー」と教えてくれました(汗…

西部邁『焚書坑儒のすすめ エコノミストの恣意を思惟して』

色々といいたいことはありますけれど、それは後ほど。焚書坑儒のすすめ―エコノミストの恣意を思惟して作者: 西部邁出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2009/11/01メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (3件) を見る

伊藤元重編集『国際環境の変化と日本経済』

さて、バブル/デフレ期の日本経済と経済政策シリーズの3巻目。こちらも後で感想書くかも・・。国際環境の変化と日本経済 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)作者: 内閣府経済社会総合研究所,経済社会総合研究所=,伊藤元重出版社/メーカー: 慶應義塾大学…

レナード・サントゥ『FRB議長』(緒方四十郎監訳、漆嶋稔訳)

11月に発売されるとのお話を頂いて楽しみにしていた本書ですが、大変よく纏まった本であると思います。訳本で削られた箇所が気になっていた訳ですが・・・。当時のデータを織り交ぜつつ記載されており、勉強になります。FRB議長―バーンズからバーナンキまで…

田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』

学生さんや教師の方のみならず、様々な方にオススメできる本だと思います。所謂就活本とは違います!! 又拝見したら感想を書かせていただければと思いますが、いつになるやら・・。偏差値40から良い会社に入る方法作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 東洋経済新…

吉川洋編『デフレ経済と金融政策』

バブル/デフレ期の日本経済と経済政策の2巻目です。早速取り置きを頼んでゲット→読んでいるところです。勉強になるなぁ。またどこかでまとめるかもしれません。デフレ経済と金融政策 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)作者: 内閣府経済社会総合研究所,…

若田部昌澄(編)『日本の危機管理力』

本書はまえがきにも書かれておりますが、国家のリスクマネージメント研究会の議論から生み出されたものとのことです。日本のマクロ経済政策には危機管理の発想がかけているというのは、今回の状況においても鳩山政権の対応が遅いことからも明らかなように感…

Reinhart and Rogoff, This Time Is Different

既に各所で紹介されている模様ですが、ラインハートとロゴフによる「This Time Is Different」をやっと購入しました。この本は副題にもあるとおり、過去800年(西暦1200年!)間の歴史の中で生じた金融危機の経験を数量的に類型化し、特徴を掴みながら実証的…

深尾京司編『バブル/デフレ期の日本経済と経済政策研究1 マクロ経済と産業構造』

既に何度かESRIの国際コンファランス等でも内容の一端が公開されており、非常に楽しみにしていた訳ですが、やはりこの本は取り上げなくてはなりませんね。 「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策研究」は分析評価編、歴史編、国際共同研究、総括編の4項目…

伊藤正直『戦後日本の対外金融』、畑農鋭矢『財政赤字と財政運営の経済分析』

伊藤先生、畑農先生の著作、ともにお勧め頂いたもの。伊藤先生の本は『日本の対外金融と金融政策』の続編とのことなのですが、『日本の対外金融と金融政策』はエコノミスト賞を受賞されている本です。1914年、つまり第一次大戦から、1936年、高橋財政の時代…

フリードマン・シュウォーツ『大収縮1929−1933』、原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』、高橋洋一『恐慌は日本の大チャンス』

ご他聞にもれず忙しい時に限って面白そうな本が沢山出てくるわけですが(汗、ここ2週間くらいかけてこちらの三冊を読んでみる予定。一冊目はフリードマンとシュウォーツの「大収縮1929−1933」。英語版の方は、実のところpdfファイルで読めてしまったりする(…

最近読んだ本から

最近読んでいる本をわざわざ晒さなくても良いという突っ込みはさておいて、やはり金融危機の話題とか過去の経済政策の状況とかといった話が気になっている昨今です。 ということで、一冊目はご存知、若田部先生の新作『危機の経済政策』。 先週末の日経の書…

稲葉振一郎「社会学入門」

既に各所でご紹介済みではありますが、面白そうなのでやっとこさ購入。全体的な見取り図を得ることって効率的に勉強を進める際には重要だったりしますよね。経済学も同じでしょう。そういった本と出合うことで随分と違うよなぁと痛感します。ともあれオスス…

経済成長って何で必要なんだろう?

既に色々なブログで紹介されていますが、飯田先生が岡田さん、赤木さん、湯浅さんの三氏と語り合った内容を纏めたもの。勝手に尊敬している(爆*1、岡田さんとの話が特に面白そうですね。経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)作者: 芹沢一也,…

白波瀬佐和子「日本の不平等を考える 少子高齢社会の国際比較」

そして更に頑張らナイトと深く感じた第三弾。豊富な資料が勉強になりました。日本の不平等を考える―少子高齢社会の国際比較作者: 白波瀬佐和子出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/05/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブ…

田中隆之「金融危機にどう立ち向かうか─「失われた15年」の教訓」

そして頑張らナイトと深く感じた第二弾。田中先生とは違う観点からですが(笑。金融危機にどう立ち向かうか―「失われた15年」の教訓 (ちくま新書)作者: 田中隆之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06メディア: 新書 クリック: 11回この商品を含むブログ…

松尾匡「商人道ノススメ」

公開はだか祭りも行われる(笑、松尾先生の新著。これは読まねば・・ということで早速手配しましたが、楽しみだなぁ。積読本の整理も含めて色々頑張らナイト。(追記)本日到着しました。内容については全くの門外漢ですが、本書を纏められるにあたって非常…

鎮目雅人「世界恐慌と経済政策」

両大戦間期の日本における恐慌と政策対応(日銀レビュー)を書かれた鎮目さんの新著。 以前エントリでもふれた飯田泰之・岡田靖(2004)「昭和恐慌と予想インフレ率の推計」、岩田規久男編『昭和恐慌の研究』における二段階レジーム説(金本位制からの離脱と…

谷沢永一「高橋亀吉 エコノミストの気概」、山田久「雇用再生」

以前紹介した(と思いますが)石橋湛山関連の本を一通り読んだので、今度は高橋亀吉に関する本を読んでみることに。谷沢氏の書籍は、発売された際に一度読みましたがこの機に再読してみようと思って手にとったもの。氏本人の主観的なバイアスがかなり(どこ…

梅田望夫「シリコンバレーから将棋を観る」

何かと話題になっている梅田氏の最新作。率直に言うと僕は梅田氏の著作をこれまで読んだことが無かった。有名な「ウェブ進化論」も胡散臭いなぁ・・と(本を読んでいないけど)正直思っている。そして梅田氏への若い人達の賛意の幾分かに華麗な経歴への憧れが…

北浦修敏「マクロ経済のシミュレーション分析―財政再建と持続的成長の研究」

北浦さんが携わった実証分析に関する論文(特にフィナンシャル・レビューに掲載されているもの)はいくつか読ませて頂いていますが、本書はこれまでの研究成果を纏められたもののように推察します。これはチェックしなくてはなぁ。財政支出乗数の分析や税収弾…

「アニマルスピリット」の読み方?

本日早速アカロフ・シラーの「アニマルスピリット」を購入しました。日本語版はサイズが小さい!というのが第一印象。この本に限って言うと、「はじめに」で展開されているマクロ経済学におけるアニマルスピリットの重要性についての指摘を読んだ後で、山形…

ポール・クルーグマン(大野和基訳)『危機突破の経済学』

クルーグマンの話題のついでということで(笑。報道2001でも書影が出ていましたね。PHPから出版されるということは、Voice等での対談+αを纏めたものではないかと思います。論説の内容もさることながら、楽しみなのは若田部先生が解説を書かれている点でしょ…

猪木武徳「戦後世界経済史 自由と平等の視点から」

稲葉先生が取り上げていらっしゃった猪木先生の新著。本屋で早速見て即買いしました。戦後の世界経済の流れを特徴的な出来事を中心にして論じていくというものです。申すまでもありませんが、著者の深い学識と思想が行間からにじみ出て、読者に深い味わいを…