谷沢永一「高橋亀吉 エコノミストの気概」、山田久「雇用再生」

 以前紹介した(と思いますが)石橋湛山関連の本を一通り読んだので、今度は高橋亀吉に関する本を読んでみることに。谷沢氏の書籍は、発売された際に一度読みましたがこの機に再読してみようと思って手にとったもの。氏本人の主観的なバイアスがかなり(どころじゃないか・・(汗))入っているので正直オススメはしませんが、適宜突っ込みを入れながら読むと楽しめるでしょうか。個人的には鬼籍に入られたエコノミストとしてあこがれるのは、主義主張ならば下村治、石橋湛山、評論家・著作家としてのスタイル・たゆまぬ努力という点では高橋亀吉でしょうか。ネット時代だと情報収集・蓄積はかなりやりやすいのですがやはり紙媒体はきついのと、多様な話題を現代から過去に渡りさかのぼるのは中々骨が折れる作業でしょうね。

高橋亀吉エコノミストの気概

高橋亀吉エコノミストの気概

 もう一冊は、山田さんの新著「雇用再生」。こちらはエコノミスト等で寄稿された論説を手直ししながら一冊の本に纏められたものですが、分かりやすい本ですね。所謂労働経済の分野で言われている話が網羅されているというのが魅力でしょうか。ラスカルさんのエントリのはてぶコメントにも書かせていただいたのですが、直近の労働関連の論点として一番興味を持っているのは雇用調整の話題でしょうか。

雇用再生―戦後最悪の危機からどう脱出するか

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