2009-01-01から1年間の記事一覧

田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』を読む。

本書は、筆者が構想する「雇用三部作」のうちの二作目に位置づけられる本である。一作目はご存知『雇用大崩壊』であり、当ブログでも感想を書かせていただいた。本書のあとがきで述べられている通り、仮に政府が政策転換を行ったとしても、学生の就職という…

みずほ総合研究所『日本経済の明日を読む2010』

シンクタンク各社による来年の絵姿に関する本が出揃う時期になると早師走という感覚がします。さてみずほ総研が毎年出しているこちらの本は、経済について数時間で読めてかつ各国(欧米・日本・アジア)の動向も俯瞰できてしまうという意味で便利な本だと思…

平山亜佐子『明治大正昭和 不良少女伝 莫連女と少女ギャング団』

「ジャンダークのお君」からニヤニヤしてしまうわけですが、河上肇賞奨励賞を受賞された草稿が基になった著作。ぐんぐん引き込まれ&読めます。昨日近くの本屋に行ったのですが案の定無く、今日行きましたら店員の方が「入ったよー」と教えてくれました(汗…

西部邁『焚書坑儒のすすめ エコノミストの恣意を思惟して』

色々といいたいことはありますけれど、それは後ほど。焚書坑儒のすすめ―エコノミストの恣意を思惟して作者: 西部邁出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2009/11/01メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (3件) を見る

伊藤元重編集『国際環境の変化と日本経済』

さて、バブル/デフレ期の日本経済と経済政策シリーズの3巻目。こちらも後で感想書くかも・・。国際環境の変化と日本経済 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)作者: 内閣府経済社会総合研究所,経済社会総合研究所=,伊藤元重出版社/メーカー: 慶應義塾大学…

レナード・サントゥ『FRB議長』(緒方四十郎監訳、漆嶋稔訳)

11月に発売されるとのお話を頂いて楽しみにしていた本書ですが、大変よく纏まった本であると思います。訳本で削られた箇所が気になっていた訳ですが・・・。当時のデータを織り交ぜつつ記載されており、勉強になります。FRB議長―バーンズからバーナンキまで…

田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』

学生さんや教師の方のみならず、様々な方にオススメできる本だと思います。所謂就活本とは違います!! 又拝見したら感想を書かせていただければと思いますが、いつになるやら・・。偏差値40から良い会社に入る方法作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 東洋経済新…

吉川洋編『デフレ経済と金融政策』

バブル/デフレ期の日本経済と経済政策の2巻目です。早速取り置きを頼んでゲット→読んでいるところです。勉強になるなぁ。またどこかでまとめるかもしれません。デフレ経済と金融政策 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)作者: 内閣府経済社会総合研究所,…

雑感

遅れ気味の仕事を挽回すべく頑張ったのは良いのですが、少しやりすぎで身動きが取れなくなってきている昨今です(涙。相変わらず、「this time is different」と「大収縮1929−1933」との間を行ったり来たりしています。この二冊(特に後者)を読むと貨幣的要…

若田部昌澄(編)『日本の危機管理力』

本書はまえがきにも書かれておりますが、国家のリスクマネージメント研究会の議論から生み出されたものとのことです。日本のマクロ経済政策には危機管理の発想がかけているというのは、今回の状況においても鳩山政権の対応が遅いことからも明らかなように感…

「世界金融危機」は終わったのか?(その2)

前回のエントリでは、世界経済の現状、特に今回の危機の震源地であった米国の経済状況を金融セクターと実体経済の二つの綱引きが続く状況と指摘した。つまり金融セクターはFRB・財務省による政策努力により信用危機を回避し、回復に転じている。ただしこの状…

「二つの大恐慌」の視点から

もう一ヶ月前になるが、EichengreenとO’Rourkeによる1930年代の世界大恐慌と今回の危機との比較分析がvoxeuにアップデートされている。 前回(6月)の更新時点と比べると、新たに追加されたデータから見えてくる景色は異なってくる。詳細は該当のエントリを…

Reinhart and Rogoff, This Time Is Different

既に各所で紹介されている模様ですが、ラインハートとロゴフによる「This Time Is Different」をやっと購入しました。この本は副題にもあるとおり、過去800年(西暦1200年!)間の歴史の中で生じた金融危機の経験を数量的に類型化し、特徴を掴みながら実証的…

深尾京司編『バブル/デフレ期の日本経済と経済政策研究1 マクロ経済と産業構造』

既に何度かESRIの国際コンファランス等でも内容の一端が公開されており、非常に楽しみにしていた訳ですが、やはりこの本は取り上げなくてはなりませんね。 「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策研究」は分析評価編、歴史編、国際共同研究、総括編の4項目…

何これ?

本当はこちらをネタに統計データ等でメモ書きをしようと思ったのだが、そんな時間は案の定なくなってしまったので簡単に。 まずは問題の記事。民主党さんがマクロ経済政策の必要性について多少なりとも問題意識をお持ちだということは分かりましたが、内容を…

DSGEモデルによる潜在成長率推計(メモ)

巡回先のブログで日銀レビューとして潜在成長率の話題が掲載されていたのだが、その中でDSGEモデルを用いた潜在成長率の推計の話題が出ていた(一上、代田、関根、笛木、福永「潜在成長率の各種推計法と留意点」、日銀レビュー2009-J-13)。 ここではDSGEモ…

伊藤正直『戦後日本の対外金融』、畑農鋭矢『財政赤字と財政運営の経済分析』

伊藤先生、畑農先生の著作、ともにお勧め頂いたもの。伊藤先生の本は『日本の対外金融と金融政策』の続編とのことなのですが、『日本の対外金融と金融政策』はエコノミスト賞を受賞されている本です。1914年、つまり第一次大戦から、1936年、高橋財政の時代…

IMF WEO (2009年10月)から

本日公表されたWorld Economic Outlookの最新版。ざっとChapter1及び2.を確認した感想は以下の通り。個人的にはChapter3は読みたいところ。 世界経済全体は回復が鮮明となり、2009年はマイナス1.1%だが、2010年は3.1%成長。 7月時点の予測と比較して、それ…

フリードマン・シュウォーツ『大収縮1929−1933』、原田泰『日本はなぜ貧しい人が多いのか』、高橋洋一『恐慌は日本の大チャンス』

ご他聞にもれず忙しい時に限って面白そうな本が沢山出てくるわけですが(汗、ここ2週間くらいかけてこちらの三冊を読んでみる予定。一冊目はフリードマンとシュウォーツの「大収縮1929−1933」。英語版の方は、実のところpdfファイルで読めてしまったりする(…

CPI8月結果等々

既に報道等でも明らかですが、メモ代わり。本当は週末に書いた方が8月分の統計指標がほぼ出揃うのでよいのかな。結果は予想できているところですが。 8月分のCPIはコア指数で前年同月比マイナス2.4%、コアコア指数はマイナス0.9%となりました。いずれも過…

「世界金融危機」は終わったのか?

恐らくこれから年末にかけての話題といえば、世界的な景気後退がどの段階で収束し、我が国も含む世界経済がどのような形で回復に転じていくのかということだろう。 確かに23日のFOMCの声明によれば、米国経済は深刻な落ち込みを経て回復しているという認識が…

某掲示板から

死刑を執行しない法務大臣 国土を防衛しない防衛大臣 国益を放棄する外務大臣 通貨高を放置する財務大臣 銀行を窮地に追いやる金融大臣 官僚を過労死に追い込んだ厚生労働大臣 国を破滅に追いやる総理大臣人呼んで「帰ってきた村山内閣」 勿論、鳩山内閣のこ…

近況

もう既に早いものでシルバーウィークも終わってしまい秋も深まるこの頃です。 ようやっと懸案の作業が一段落したので、少しネタ収集も兼ねてあれやこれやと考えてみようかなと思っています。生暖かくご覧ください。

最近読んだ本から

最近読んでいる本をわざわざ晒さなくても良いという突っ込みはさておいて、やはり金融危機の話題とか過去の経済政策の状況とかといった話が気になっている昨今です。 ということで、一冊目はご存知、若田部先生の新作『危機の経済政策』。 先週末の日経の書…

稲葉振一郎「社会学入門」

既に各所でご紹介済みではありますが、面白そうなのでやっとこさ購入。全体的な見取り図を得ることって効率的に勉強を進める際には重要だったりしますよね。経済学も同じでしょう。そういった本と出合うことで随分と違うよなぁと痛感します。ともあれオスス…

最近の生産持ち直しの動きをどうみるか?

まず、5月分速報で持ち直しの動きが見られる鉱工業生産指数の動向から見ていこう。5月の生産、出荷、在庫の値は前月比5.9%、4.5%、マイナス0.6%となり、季節調整済指数でみると79.2、78.7、96.5という状況である。確かに伸び率を見るとフリーフォール的な…

経済成長って何で必要なんだろう?

既に色々なブログで紹介されていますが、飯田先生が岡田さん、赤木さん、湯浅さんの三氏と語り合った内容を纏めたもの。勝手に尊敬している(爆*1、岡田さんとの話が特に面白そうですね。経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)作者: 芹沢一也,…

アチョー

そういえば昨年からヤッターマンがリメイクされて放映されていましたいますが、印象深いのは主題歌ですね。いつの時代でもあの歌声には子供ははまる模様(笑。ということで、↓を聴いているわけですが頭の中がアチョーだらけww ヤッターマンの歌→天才ドロン…

白波瀬佐和子「日本の不平等を考える 少子高齢社会の国際比較」

そして更に頑張らナイトと深く感じた第三弾。豊富な資料が勉強になりました。日本の不平等を考える―少子高齢社会の国際比較作者: 白波瀬佐和子出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2009/05/23メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブ…

田中隆之「金融危機にどう立ち向かうか─「失われた15年」の教訓」

そして頑張らナイトと深く感じた第二弾。田中先生とは違う観点からですが(笑。金融危機にどう立ち向かうか―「失われた15年」の教訓 (ちくま新書)作者: 田中隆之出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2009/06メディア: 新書 クリック: 11回この商品を含むブログ…