若田部昌澄(編)『日本の危機管理力』

 本書はまえがきにも書かれておりますが、国家のリスクマネージメント研究会の議論から生み出されたものとのことです。日本のマクロ経済政策には危機管理の発想がかけているというのは、今回の状況においても鳩山政権の対応が遅いことからも明らかなように感じます。危機管理というと、どちらかといえば経済以外の分野で話題になることが多いと思いますが、経済政策と合わせて危機管理というものが様々な領域・分野でどのような関係がありどのような相違点・共通点があるのか、といったことが書かれているようです。
 経済関連ということですと、若田部先生、蟻川先生、竹森先生の議論が楽しみですが、テロやパンデミック、災害対応といった分野ともあわせて、危機からみた我が国の現状とはどのようなものか、という点が把握できそうです。御献本頂き誠にありがとうございます。

日本の危機管理力

日本の危機管理力