2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

政策目標としての潜在成長率を考える(その3)

その1、その2で言いたいことはほぼ尽きているわけだが、補足的な論点として経済成長戦略大綱で掲げられている実質GDP成長率2.2%を達成することが可能なのか、数値目標として、この実質GDP成長率2.2%はどのように解釈すべきかを考えることにしたい。5.実質…

政策目標としての潜在成長率を考える(その2)

(その1)では、潜在成長率という概念が数値目標として表出した時に持つあいまいさについてみた訳だが、さらに考えるべき点として、「潜在成長率を高める」ということが、「実質GDP」を高めることに繋がるのかという点についてみていくことにしたい。4.潜在G…

齊藤誠「新しいマクロ経済学」(新版)、フェルプス・平山朝治訳「マクロ経済思想−7つの学派」、飯塚信夫、加藤久和「Eviewsによる経済予測とシミュレーション入門」

最近購入した書籍のご紹介。まず最初は齊藤先生の「新しいマクロ経済学」(新版)。専門の方にとっては既知の事なんでしょうが、私のような人間にとってはコツコツ復習がてら勉強する本として良い感じの本だと思います。といっても電車の逝き帰りで読むには…

政策目標としての潜在成長率を考える(その1)

経済財政諮問会議等を中心に、今後我が国が持続的な経済成長を為しえていくためにどのような方策が必要であるのかが盛んに議論されている。政府で語られているのは、潜在GDP成長率を高めることで高い経済成長率(実質GDPベースで2.2%程度)を達成する、とい…

求められる人とは

以下、mixi日記で書いたのを転載。エントリに特に意味はなし。 先日取り上げた「気概の人 石橋湛山」。示唆に富み面白い本ですが、この中で湛山が年賀状代わりに福沢諭吉の「縁の下の力持」に序文をつけてパンフレットを作ったというくだりがあります。 その…

権丈善一「再分配政策の政治経済学シリーズ」

既に様々なところで紹介されているわけですが、医療・社会保障政策の分野の良心ともいえる権丈先生の本。 私事ですが、遥か昔、権丈先生にはハイルブローナーの著書の輪読でお世話になったのが印象的ですが、ネットで先生の論説を拝見できるとは、ネット社会…

経済学者に「心」はあるのか。

当然ながらマーシャルの言葉「クールヘッド・ウォームハート」の通り、心と理論は表裏一体のものです。なんとなく様々なところで語られる論調をみると、理論としての「合理性」を声高に語る人が多いのだが、実際には「合理性」の中にもそれを判断する人の「…

小島直記「気概の人 石橋湛山」

このところ人物評伝にはまっています。ということで会社の近所の本屋でたまたま小島直記氏の書籍を見つけたので買ってみました。大部の本ですが、詳細な記述が読み手をぐいぐいひきつけるので非常に面白いです。 各章の巻末にある補注も読者の理解を補完して…

エコノミスト、クラシックを語る(爆)(3)

ヴァイオリン協奏曲について 川井郁子氏ではないですが、僕はヴァイオリンが絡む曲が好きです。ヴァイオリン協奏曲だとやはりメンデルスゾーンは外せないと通を自称しない自分は断言できるわけです(笑)。あと主要なのってブラームス、ベートーベン、モーツ…

ノーベル経済学賞2006年受賞者

エドムンド・フェルプス氏(コロンビア大学) http://www.columbia.edu/~esp2/ http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2006/index.html http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2006/ecoadv06.pdf "for his analysis of …

エコノミスト、クラシック音楽を語る(爆)(2)

普通、クラシック音楽を語るとすれば交響曲とかから始めるんでしょうが・・。何分好きな音楽をただ聴くというスタイルですので、もうめちゃくちゃで(笑)。最近発売になった日本人のCDで魅せられたものをご紹介。クラシック音楽じゃないかも・・・(爆)。西…

エコノミスト、クラシック音楽を語る(爆)(1)

僕もご多聞に漏れず、学生時代には週末の昼下がりに図書館でクラシック音楽を聴いたりして一人悦に入ることも多かったのですが*1、このところ「のだめカンタービレ」にはまっていることもあってこつこつクラシック音楽に親しんでいます。大したウンチクを語…

石崎津義男「大塚久雄 人と学問-付 大塚久雄「資本論講義」」

読書感想文を書こうにも暇がなく、購入した本のお知らせになってしまうわけですが、ちょっと評伝っぽいものを読んでみたくなって石崎氏の上掲書を読んでみました。大塚氏のいわゆる大塚史学についてはまったくの門外漢なので語りたくはないのですが、左足、…

ノーベル経済学賞の季節

今年もノーベル経済学賞の季節がやって参りました。トムソンの予測は多分?外れるのではとも思いますが、昨年、私はこんなことを書いてました。今年も既に書いている候補者の中から選ばれるのではないかと予想してます。もしかするとこの中で記した学者の中…