2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

既に

早いものでブログを始めてから3年が経過したのに今気づきました。早いですね・・・。少しは勉強できたのだろうか。「はじめに」でエントリしたのが05年4月15日ですか。今後ともネタ&時間がある限り書いていきたいと思いますので宜しければご笑覧ください。 …

堂目卓生「アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界」

堂目先生の書籍。もう既に沢山の方が紹介されていますが、『道徳感情論』で展開される人間観・社会観を基礎にすえつつ、『国富論』を読み直すというもの。ブクマでも登録していますが、同書については赤間先生の本格的な書評*1や、自己欺瞞に関する韓リフ先…

古典を読む意義

先日日経BPクラシックスから新訳が出たフリードマンの「資本主義と自由」の付録として野中郁次郎、竹森俊平、山岡洋一諸氏による創刊記念座談会のパンフレットがついていました。御三方の議論は含蓄あるものなのですが、経済学の古典に関して竹森先生が述べ…

原油価格の剥落効果が進んだ場合の物価への影響

1.08年3月の消費者物価指数の結果から 昨日、消費者物価指数の平成20年3月値(全国)が公表された。総合指数及びコア指数は前年同月比1.2%上昇、コアコア指数の前年同月比は0.1%の上昇となった。前月と異なるのは、コアコア指数がわずかながらプラスに転…

安冨歩「生きるための経済学 <選択の自由>からの脱却」を読む。

本書は現代の経済学が「ネクロフィリア・エコノミクス」(死に魅入られた経済学)であると規定した上で、「ネクロフィリア・エコノミクス」たる現代の経済学が「ビオフィリア・エコノミー」−ネクロ経済の論理を明らかにし、その破壊的側面を抑制し、ビオフィ…

奥野正寛「ミクロ経済学」、ミルトン・フリードマン「資本主義と自由」

アカデミアの知識から遠く離れてしまいどんどん記憶も風化していますので、時間があったらミクロ経済学の教科書でも読んでみようかなと思っていたのですが、奥野先生の「ミクロ経済学」が刊行されたみたいですね。「ミクロ経済学1・2」や日経文庫の「ミクロ…

竹森俊平「『大恐慌の再来』とその後の世界」を読む。

中央公論5月号に掲載された竹森教授の論考は題名の通り近年のサブプライムローン問題の進展を「大恐慌の再来」と捉えつつ、サブプライムローン問題が終結した先の世界について論じている。以下、サブプライムローン問題がなぜ「大恐慌の再来」なのか、竹森…

安冨歩「生きるための経済学-<選択の自由>からの脱却」

安冨氏といえば、森嶋先生の「新しい一般均衡理論−資本と信用の経済学」の翻訳をされた方という記憶しかなかったのですが、久々にこういった話題の書籍を読んでみようという気持ちになったので購入。「「選択の自由」という牢獄」とか「市場経済学の錬金術」…

上野泰也「デフレは終わらない」(追記あり)

「チーズの値段から未来が見える」に引き続き、みずほ証券の上野さんが書籍を出される模様です。4月21日。 こちらは「チーズの値段〜」と比較すると本格的な書籍なのかな?と期待&予測。いずれにせよ購入してみたいところです。何となくタイトルから言わん…

Voice「特集 大論争!どうなる日本経済」を読む

先日簡単に紹介したとおり、今月のVoiceの特集記事は現在話題になっている8つの論点(株価、為替、税金、物価、賃金、金利、年金、地価)について識者が論じるというものである。テーマによっては、お互いを意識しながら論じているもの(税金の中川・与謝野…

今月のオピニオン誌雑感

今月のオピニオン誌ですと経済関連の記事が充実しているのはVoiceでしょう。「特集 大論争!どうなる日本経済」は中々壮観です。武者陵司、榊原英資、三國陽夫、藤巻健史、中川秀直、与謝野馨、遠藤功、森永卓郎、フェルドマン、門倉貴史、齋藤精一郎、若田…

竹森俊平「「大恐慌の再来」とその後の世界」(中央公論5月号論説)

昨日あたりから中央公論5月号と竹森先生の御名前で検索されてくる方がいらっしゃったので気づいたのですが、竹森先生、論考を発表されていますね。今回はサブプライムローン問題が収束したその後について論じていらっしゃいます。僕も「世界的な対外不均衡の…

書評は難しい。

一冊の本の評価をするのは難しいものだと思う。当ブログでは一冊の本について自分の主観を交えて語っていることが多いが、これらはカテゴリ通り「読書感想文」である。とても「書評」などと言える代物は私には書けない。 書評をするには、当然ながら対象とな…

白川方明「現代の金融政策」

日銀総裁に就任された白川氏の新著。金融政策に対する白川氏の考え方を改めて確認するには絶好の書籍でしょう。BOJウォッチャーの方で今更白川氏の考え方を学ぶというのはもぐりなんでしょうが(笑。6000円と高価で且つ分厚い書籍ではありますが、勉強したい…

フレッケンシュタイン・シーハン「グリーンスパンの正体 2つのバブルを生み出した男」

中々面白く・興味深い論点を含んだ本です。90年代の米国経済の力強い成長を可能にさせたグリーンスパンの金融政策が結局は現在のサブプライムローン問題の温床ではないのかという批判は問題の深刻化とともに大きくなっているわけですが、本書はグリーンスパ…

理不尽な発言

以前話題にしたが、結局予想通りになるのだろうか。 白川副総裁を昇格させるという自民党の非公式な打診に対して、民主党の鳩山氏は以下のようなコメントをしたということだ(http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-31161920080404)。 民主…

上野泰也「チーズの値段から未来が見える」

マーケットエコノミストであり、BOJウォッチャーとしても名高い、そして我が国において極々少数な(!?)正論を述べるエコノミストでもある上野さんの著作。韓リフ先生も取り上げていらっしゃいましたが、読み易い一方でポイントがしっかり書かれているのでお勧…