当ブログは多くの方にご覧頂くことを念頭に置いておらず、実証分析に耐えるような代物ではない生煮えの意見を載せていることが多いです。 寧ろ自分が今後分析しようとする際の仮説としてどんなものがありえるかといった観点でメモ書きしているに過ぎません。…
様々な本が積読状態となっている訳ですが、あまりそれには構わず買える時に購入しようということで、新たに購入した書籍のご紹介。 まず一冊目の伊藤先生の本ですが、こちらは現代の金融危機を考えるために、金融危機を横断的に捉える視点と歴史的に捉える視…
ご存知、光文社新書として本日発売された勝間・宮崎・飯田三氏による鼎談が収録された著作。世界金融危機の震源地であった欧米が紆余曲折を経ながら着実に景気回復の途に入っている一方で、直近の2009年第4四半期のSNAからも明らかなとおり、我が国の経済状…
歴史科学協議会編集の『歴史評論』3月号の特集は、「1929年世界恐慌と日本社会」と題されている。井上財政の失敗と高橋財政の成功については、これを「歴史の教訓」として肯定的に捉える論調と、恐慌から戦争に至る過渡期として捉える論調の二つがあり得るだ…
読売新聞特別編集委員を勤めていらっしゃる著者のコラムを一冊の本にまとめたものである。一つ一つが短いので空き時間に気楽に読めるが、中身は色々と考えさせることが多い。本書のあとがきに御母堂が著者に対して言われた三つのことが書いてある。曰く、第…
毎回見本版を頂いているのにご紹介できず仕舞いだった「atプラス」。申し訳ありません。稲葉先生の論考が面白そうなのですが、いかんせん途中までしか読むことが出来ないので、やはり購入するしかないのかなぁ。 気になったのですが、次号(04号)の特集は「…
楽しみにしていたスキデルスキーの最新作。原題はKEYNES:THE RETURN OF THE MASTERなわけですが、この題名からはヨーダを連想するのは仕様でしょうか。第二章あたり(淡水と海水とか、現代的なマクロ経済学への批判的視点の議論)あたりから段々と本領発揮な…
さて、吉川先生+ESRI編集の第2巻を以前紹介したと思ったら、あれよあれよという間に5巻まで刊行されているこのシリーズですが、3巻、4巻、5巻も勉強になります。3巻についてはどこかに書いたかもしれませんが、意外とマクロ的な話題が重視されている…
各種書評でも取り上げられていた『ヴィーコ』を購入しようか迷ったのですが、やはりこちらを先に読みましょうか。積読本だらけですが(笑。 自由主義者ということでまず僕の頭に浮かぶのは、本書で取り上げられている河合栄治郎、そして小泉信三なのですが、…
随分前に読んで景気循環論の面白さを感得した嶋中さんの著作が日経ビジネス文庫として再刊されました。 この本が出されたのって昭和62年・・ということは1987年か。もう23年前になるのですね。当然ながら、販売された段階では自分は読んでいないわけですが、…
1月下旬で楽しみなのは、R.スキデルスキー『なにがケインズを復活させたのか?』(日本経済新聞出版社)です。洋書で購入しようとしていましたが、思いとどまって良かった。あれやこれやでいろいろとやることが一杯ですが、できるだけ自分の時間を確保でき…
結構日が空いてしまっていますので、何を紹介したのか忘れていますが、年初から順調に積読本が溜まっているところです。 取り上げたいのは五冊。まずは高橋洋一・竹内薫両氏による、『鳩山由紀夫の政治を科学する』(インフォレスト)です。これを読むと、民…
やっとコードネーム:デフレ本の修正が一通り終わり、出版社様から依頼があった書籍紹介文も書き終えました。2月半ば頃には書店に並ぶかと存じますが、ご参照頂ければ幸いです。数日でさっと読める本では正直ないと思います・・・(そうあって欲しいけど、…
本書は、筆者が構想する「雇用三部作」のうちの二作目に位置づけられる本である。一作目はご存知『雇用大崩壊』であり、当ブログでも感想を書かせていただいた。本書のあとがきで述べられている通り、仮に政府が政策転換を行ったとしても、学生の就職という…
シンクタンク各社による来年の絵姿に関する本が出揃う時期になると早師走という感覚がします。さてみずほ総研が毎年出しているこちらの本は、経済について数時間で読めてかつ各国(欧米・日本・アジア)の動向も俯瞰できてしまうという意味で便利な本だと思…
「ジャンダークのお君」からニヤニヤしてしまうわけですが、河上肇賞奨励賞を受賞された草稿が基になった著作。ぐんぐん引き込まれ&読めます。昨日近くの本屋に行ったのですが案の定無く、今日行きましたら店員の方が「入ったよー」と教えてくれました(汗…
色々といいたいことはありますけれど、それは後ほど。焚書坑儒のすすめ―エコノミストの恣意を思惟して作者: 西部邁出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2009/11/01メディア: 単行本 クリック: 13回この商品を含むブログ (3件) を見る
さて、バブル/デフレ期の日本経済と経済政策シリーズの3巻目。こちらも後で感想書くかも・・。国際環境の変化と日本経済 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)作者: 内閣府経済社会総合研究所,経済社会総合研究所=,伊藤元重出版社/メーカー: 慶應義塾大学…
11月に発売されるとのお話を頂いて楽しみにしていた本書ですが、大変よく纏まった本であると思います。訳本で削られた箇所が気になっていた訳ですが・・・。当時のデータを織り交ぜつつ記載されており、勉強になります。FRB議長―バーンズからバーナンキまで…
学生さんや教師の方のみならず、様々な方にオススメできる本だと思います。所謂就活本とは違います!! 又拝見したら感想を書かせていただければと思いますが、いつになるやら・・。偏差値40から良い会社に入る方法作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 東洋経済新…
バブル/デフレ期の日本経済と経済政策の2巻目です。早速取り置きを頼んでゲット→読んでいるところです。勉強になるなぁ。またどこかでまとめるかもしれません。デフレ経済と金融政策 (バブル デフレ期の日本経済と経済政策)作者: 内閣府経済社会総合研究所,…
遅れ気味の仕事を挽回すべく頑張ったのは良いのですが、少しやりすぎで身動きが取れなくなってきている昨今です(涙。相変わらず、「this time is different」と「大収縮1929−1933」との間を行ったり来たりしています。この二冊(特に後者)を読むと貨幣的要…
本書はまえがきにも書かれておりますが、国家のリスクマネージメント研究会の議論から生み出されたものとのことです。日本のマクロ経済政策には危機管理の発想がかけているというのは、今回の状況においても鳩山政権の対応が遅いことからも明らかなように感…
前回のエントリでは、世界経済の現状、特に今回の危機の震源地であった米国の経済状況を金融セクターと実体経済の二つの綱引きが続く状況と指摘した。つまり金融セクターはFRB・財務省による政策努力により信用危機を回避し、回復に転じている。ただしこの状…
もう一ヶ月前になるが、EichengreenとO’Rourkeによる1930年代の世界大恐慌と今回の危機との比較分析がvoxeuにアップデートされている。 前回(6月)の更新時点と比べると、新たに追加されたデータから見えてくる景色は異なってくる。詳細は該当のエントリを…
既に各所で紹介されている模様ですが、ラインハートとロゴフによる「This Time Is Different」をやっと購入しました。この本は副題にもあるとおり、過去800年(西暦1200年!)間の歴史の中で生じた金融危機の経験を数量的に類型化し、特徴を掴みながら実証的…
既に何度かESRIの国際コンファランス等でも内容の一端が公開されており、非常に楽しみにしていた訳ですが、やはりこの本は取り上げなくてはなりませんね。 「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策研究」は分析評価編、歴史編、国際共同研究、総括編の4項目…
本当はこちらをネタに統計データ等でメモ書きをしようと思ったのだが、そんな時間は案の定なくなってしまったので簡単に。 まずは問題の記事。民主党さんがマクロ経済政策の必要性について多少なりとも問題意識をお持ちだということは分かりましたが、内容を…
巡回先のブログで日銀レビューとして潜在成長率の話題が掲載されていたのだが、その中でDSGEモデルを用いた潜在成長率の推計の話題が出ていた(一上、代田、関根、笛木、福永「潜在成長率の各種推計法と留意点」、日銀レビュー2009-J-13)。 ここではDSGEモ…
伊藤先生、畑農先生の著作、ともにお勧め頂いたもの。伊藤先生の本は『日本の対外金融と金融政策』の続編とのことなのですが、『日本の対外金融と金融政策』はエコノミスト賞を受賞されている本です。1914年、つまり第一次大戦から、1936年、高橋財政の時代…