伊藤正直『戦後日本の対外金融』、畑農鋭矢『財政赤字と財政運営の経済分析』

 伊藤先生、畑農先生の著作、ともにお勧め頂いたもの。伊藤先生の本は『日本の対外金融と金融政策』の続編とのことなのですが、『日本の対外金融と金融政策』はエコノミスト賞を受賞されている本です。1914年、つまり第一次大戦から、1936年、高橋財政の時代までが詳細に取り扱われています。数字入り(ここ重要)の表が満載なので凄く便利な本です。この時代の統計だと日銀が纏めた資料か大川推計くらいしか簡単には手に入らないので助かります。
 さて、『戦後日本の対外金融』ですが、これは1ドル=360円の固定相場制の時代からその終焉である第一次オイルショックの時期までを扱っています。この本は是非読まねば。ということでこれから本屋に行ってきますノシ

戦後日本の対外金融 -360円レートの成立と終焉-

戦後日本の対外金融 -360円レートの成立と終焉-

日本の対外金融と金融政策 -1914~1936-

日本の対外金融と金融政策 -1914~1936-

 そして二冊目の畑農先生の書籍ですが、この本も凄い本ですね。経済対策により財政赤字は益々深刻化しており、著者が述べるように「無批判に財政赤字の危機を煽ることは必ずしも適切でないが、放置もできない」状況ではないかと思います。
財政自体は社会保障にも影響を与えますし、このままの経済政策の状況だと、富をだれに、どのような手段で再分配するか、少子高齢化を踏まえて「正しい再分配政策」をどうやって成立させるかといった問題もあるかと思いますね。某マイミク様ご紹介の本なので、内容確認次第即買だなぁ。

(追記)
 ということで購入しました。丸善で在庫残り一冊だったので良かったなぁ。この本の第一章部分は是非とも読むべきでしょう。カルマンフィルターを適用した非常に緻密な実証分析がなされていますが、大変勉強させていただきました。

財政赤字と財政運営の経済分析―持続可能性と国民負担の視点

財政赤字と財政運営の経済分析―持続可能性と国民負担の視点