小島直記「気概の人 石橋湛山」

 このところ人物評伝にはまっています。ということで会社の近所の本屋でたまたま小島直記氏の書籍を見つけたので買ってみました。大部の本ですが、詳細な記述が読み手をぐいぐいひきつけるので非常に面白いです。
 各章の巻末にある補注も読者の理解を補完してくれます。現在、湛山が東洋経済の編集者になり、本格的に経済学を勉強し始める・・という箇所を読んでいますが、天がもたらしたともいえる人との出会い、そして鈍純な程の克己心・努力が後の大湛山を生み出したというあたり非常に臨場感があります。
 経済学を理解するにあたり、理論の修得だけでは駄目で、それを実体経済に即して考えていき血肉にすべきという記述は、多いに同感しながら読みました。
 今後金解禁論争や政界への進出・・といった話に進んでいくわけですが、どんな筆致で描かれるのか、非常に楽しみな本です。
 

気概の人 石橋湛山

気概の人 石橋湛山

 石橋湛山についての本を読んだら、松永安左エ門についての評伝を読みたいところです。スケールの大きな人物の話を読むと、自分の小ささが身にしみるわけですが・・(笑)。

まかり通る-電力の鬼・松永安左エ門

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