CPI8月結果等々

 既に報道等でも明らかですが、メモ代わり。本当は週末に書いた方が8月分の統計指標がほぼ出揃うのでよいのかな。結果は予想できているところですが。
8月分のCPIはコア指数で前年同月比マイナス2.4%、コアコア指数はマイナス0.9%となりました。いずれも過去最悪の水準です。日経の記事を見ますと「デフレ再び?」とか暢気なタイトルが並んでいますが、はっきり言って、ずっと基調デフレであったことは明白です。
 概要の資料を見てもわかるのですが、原材料価格高騰が続いたのが2008年の8月及び9月までなので、8月と同じ価格水準ならば、9月のCPIも対前年同月比ベースでマイナス2.4%となるのは確実の情勢。費目別に見ると、交通・通信、光熱・水道の寄与が大きいのはわかりますが、教養娯楽や家具・家事製品といった費目も下落してますね。家事製品だと家庭用耐久財、冷蔵庫とか。
 10月以降ですが、現在の民主党政権円高是認路線や補正執行の見直しといった当面の政策状況を考えると(というか直近の経済対策らしきものって亀井大臣のモラトリアムなんとかだけなの?(汗))、政府はG20での確認事項も忘れて一体何をしているのか全くわかりません。
 円高については経団連会長の奇妙奇天烈な「今の水準なら業績それほど変わらない」発言もありましたが、日銀短観から損益分岐点となる円ドルレートを参照しますと、90円台を割り込むような円高になったら確実に赤字です(汗。そりゃ人がうらやむような大企業のキヤノンなら大丈夫かもしれませんけど、そんな発想を一般企業にまで広げられても困ります。
 藤井大臣の発言も容認しがたい。確かに為替レートを介入により制御することは、マーケットで決定されているが故に無理ですし、すべきでもないでしょう。ただし、物価が下落していて欧米諸国の金融緩和政策の影響もあって円高が進んでいるということならば、これを金融緩和によってインフレにし、円高を是正する必要はあるでしょう。
内需が弱い現状で円高にしたら輸入財の価格が国内財よりも相対的に安くなることで、内需は更に減ります。内需転換とかいうのは、国内経済の成長を自国内での需要を高めることを通じて高めることが目的なので、円高国内需要が更に減少したら話になりませんね。
 段階を追ってみていくと、金融緩和なり財政出動なりで金利が下がり、内需に増加圧力が加わることで消費や投資といった国内の民間需要が増えて生産・所得が増加するわけです。所得が増えればさらに需要が増えるわけですが、この需要の増加が過熱してくると金利の上昇といった形で内需を冷やすメカニズムが生じ、為替が円高にふれていき、更に内需ではなく海外からの輸入が進む形になるのです。内需が高まった段階で金利高と円高が生じるからといって、金利高と円高を目標にした政策を行えば、逆に内需は減りますね。何か良く分かりませんが、こんなことをしていて我が国は世界の笑いものになっているのではないか?という不安すらよぎる昨今です。まぁ、アジアは中国が居るから問題ないんだっけ。