読書

アカロフ・シラー(山形浩生訳)「アニマルスピリット 人間の心理がマクロ経済を動かす」

山形さんのお知らせでも予告がされていたところですが、ついに日本語訳が出ましたねw 読書感想文を書こうと思っていたのですが、遅すぎたかw オススメ。アニマルスピリット作者: ジョージ・A・アカロフ,ロバート・シラー,山形浩生出版社/メーカー: 東洋経…

藤井眞理子「金融革新と市場危機」、福岡正夫・鈴木淑夫編「危機の日本経済」

最近刊行された藤井先生の本。ブラックマンデー、LCTM、そして日本のバブル崩壊とを対比しつつ、現在の金融危機について分かりやすく説明されています。さらさらと読みやすい本ですね。本書にも記載されているのですが、金融は経済システムの一部であるため…

John B. Taylor, Getting Off Track:How Government Actions and Interventions Caused, Prolonged, and Worsened the Financial Crisis

テイラー先生の新著。円高効果もありまして邦書を買うよりも安価なので、早速購入しました。内容はというとタイトルどおりな訳ですが、政府の政策や介入がいかにして金融危機を引き起こし、長期化かつ悪化させているかというものです。 金融危機に関して様々…

古本で購入

所謂「日銀理論」に対する系統的な批判の書である岩田先生の本。手元になかったので購入。金融政策の経済学―「日銀理論」の検証作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 日経発売日: 1993/08メディア: ハードカバー クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見…

水指丈夫「東大を出ると社長になれない」

田中先生も既にご紹介されていますが、本書はオシャレな本といえるでしょう。「東大を出ると社長になれない」というちょっと「お?」と思わせるタイトル、ピンクを基調にすえたオシャレな装丁、そして主人公の和臣が様々な人(萌え要素も満載!)と交わるこ…

武藤敏郎・大和総研『米国発金融再編の衝撃』

武藤さんと大和総研の方々が書かれた本。以前紹介した原田さん・大和総研の書籍(世界経済同時危機)が、金融危機に伴う世界経済への影響について、マクロ経済への影響を中心に書いていらっしゃったのに対して、この本は金融危機の中身について詳細に纏めら…

「特集 人間の顔をした資本主義はどこにある」を読む。

本日発売の中央公論5月号は「特集 人間の顔をした資本主義はどこにある」と題して、西部邁・柄谷行人両氏の対談(恐慌・国家・資本主義)、堂目卓生教授の「いま蘇るアダム・スミスの思想」、中村隆英・竹森俊平両教授の対談「昭和の教訓に何を学ぶ」が掲載…

朝日新聞「変転経済」取材班編「失われた<20年>」

ラスカルさんが確か少し前にこの本についてのエントリをされていたと記憶していますが、本書はさまざまな方へのインタビューを交えながら、現代へのエポックメイキングとなっている出来事を焦点としつつわかりやすく纏めた本です。こういった本は僕は好きで…

長幸男「石橋湛山の経済思想」、「昭和恐慌−日本ファシズム前夜」

長先生の新著をご覧になったと某ご連絡で知ったのですが、「石橋湛山の経済思想」、どうやら明日発売なんだろうか。既に発売されておりました。八重洲ブックセンターでゲット。とても楽しみです。 長先生と言えば僕の中では「昭和恐慌−日本ファシズム前夜」…

東谷暁「日本経済の突破口」

本書は『正論』に収められた東谷氏の論説を収めたものである。はっきりといえば貴重な時間を割いて読むべき本ではないし、無理解に基づく記述も多いのでお勧めはしない。こんな評論が売れるのなら俺でも書けると放言してみたいところだ。 個人的な興味として…

増田悦佐「格差社会論はウソである」

「あ〜(笑)」とお思いの方も居るのかもしれません*1が、今読んでいるのが増田さんの新著であるこの本。面白いですね。読んでいていろんな疑問や発想がわいてくる本って中々ないものです。イメージとして言うと「通説・常識」が適度に破壊され、そのことが…

岩田規久男「金融危機の経済学」を読む(その1)

本書は著者が「はじめに」で述べているとおり、以下の三つの論点を検討した書籍である。平易に書かれていることから非常に読みやすい書籍だが、その内容は実に豊かであり、一読しただけでは中々全てを味わいつくすことは難しい。さながら一回では堪能しきれ…

田中秀臣『雇用大崩壊 失業率10%時代の到来』を読む。

本書は「世界同時不況」に陥ったわが国の状況を主に雇用面から扱った書籍である。既に各所で感想が寄せられているところだが、書籍のタイトルに反して、その指摘するさまざまなポイントは重い。以下、本書で指摘されているポイントに即しながら感想を交えつ…

下村治『日本経済成長論』

株価の低迷に注目が集まる昨今でありますが、こんなときこそ手元においておきたい下村治のこの本。下村の著作は既に絶版となっており入手困難なものが多いとのお話は上久保さんの『評伝 下村治』にも出てきますが、こういった著作が再刊されるのは嬉しいです…

田中秀臣『雇用大崩壊』、岩田規久男『世界同時不況』

いやはや面白く興味深い本が沢山刊行され、ただでさえ忙しいのに更に忙しくなる今日この頃です(笑)やっと原田さんらの『世界経済同時危機』が終盤に差し掛かっているところですが、頭の中で世界経済に何が起こっているのかが具体的にわかりますよね。さて…

吉川洋「いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ」、小川一夫「「失われた10年」の真実」

このところいろんな本が出ますね。全然読めてませんが(笑、この二冊は本屋でチェックしてみようかな。吉川先生の本は竹森先生の「経済論戦は蘇る」を彷彿とさせますが、吉川理論の話ですかね。小川先生の本は資料用に購入するというところかな。僕にとって…

小池和男「日本産業社会の「神話」」

国際比較は難しい。難しいのは比較をする我が国ではなく、相手側の海外の状況が十分に明らかでないことに原因があるわけです。だからこそ国際比較は難しい。小池先生の新著は、少数の素晴らしい国際比較の研究を通じて、個人間競争、会社好きの日本人、年功…

原田泰・大和総研『世界経済同時危機ーグローバル不況の実態と行方』

原田さん・大和総研の研究員の方々による新作。僕もがんばらないとなぁ@@;本屋でチラ見しただけですのであれですが、面白そう。 とこの本のご紹介にもならなくなってしまったのですが、詳細は書店で確認しながら、韓リフ先生の書評を読みましょう。 余談…

鈴木亘「だまされないための年金・医療・介護入門」、西沢和彦「年金制度は誰のものか」

もうそろそろ新しい財政再計算も公表される(一部出てますが)と思いますので、社会保障関連で。しかしどんな試算結果になるんだろうか。この経済状況だからなぁ。最近出た社会保障関連の書籍で是非読んでおくべき本を挙げろといわれればこの2冊でしょう。「…

Animal Spirits、金融政策の政治経済学

アカロフ・シラー両先生によるAnimal Spirits、ようやく届きました。待ちに待った本なので読むのが楽しみです。やはりこの手の話題を考えないと駄目だ。 そして、恥ずかしながらある先生からお教え頂いた伊藤・カーギル・ハッチソンの本。この点も金融政策の…

ホール/ファーグソン(宮川重義訳)『大恐慌』

極めて不謹慎な言い方なのかもしれないが、現代ほど「マクロ経済学」を学び、「なぜ」を突き詰めていくビックチャンスは無いのかもしれない。 特に我が国の場合は、長期停滞への片道切符(現状では)の第一ステージとしての「失われた10年」、そして第二ステ…

岩田規久男「世界同時不況」、柳川範之「独学という道もある」

昨日取り上げた岩田先生の新刊本の巻末の参考文献を見て発見しました(笑。3月発売とのことですが、紹介されている文面を見ると、世界大恐慌と絡めながら論じられているように想像します。う〜む・・こちらも楽しみ。 アマゾンのリンクはまだなさそうなので…

岩田規久男「金融危機の経済学」

岩田先生の新刊は、現在進行形の経済状況、特にサブプライム危機→世界金融危機→実態経済への波及と流れる状況について書かれたものです。検討されているのは1.サブプライムローン問題の本質は何だったのか、2.それはなぜ世界金融危機を引き起こしたのか、3.…

一海知義『漢詩入門』

段々オッサンになりますと、長い人生を通じて楽しめる趣味のようなものを持ちたくなるものです。趣味といえばいろいろあるわけですが、どれもこれもそれなりにお金がかかりますしこのご時勢できるだけお金がかからず、新しいことを勉強したいと思ったりもし…

「環」36号(藤原書店)【特集】世界大恐慌か?

時間がないのであれですが、追々日銀政策決定会合等々の話題もエントリしたいと思う今日この頃。さて、藤原書店が季刊として公表している「環」の特集は世界大恐慌か?ということで、様々な方が論説を寄せています。一方の極から一方の極の議論を全て詰め込…

根岸隆「経済学の理論と発展」

先日取り上げた丸山先生の書籍と合わせて、落ち着いたら読んでみたい根岸先生の一冊。このところミクロ経済学の話題とも疎遠になってしまったなぁ・・・少しブラッシュアップしないとと思いつつ、昨今のマクロ経済の動向を見るにつけて後回しになってしまう…

松元崇「大恐慌を駆け抜けた男 高橋是清」、高橋是清「高橋是清自伝」、三輪芳朗「計画的戦争準備・軍需動員・経済統制 − 続「政府の能力」 」、安達誠司「脱デフレの歴史分析」

高橋是清についての評伝ということで言えば、高橋本人による自伝(高橋是清自伝)は面白く読めるところでありますが、松元さんの書籍は財務省の広報誌「ファイナンス」で連載されていた論説を高橋の生涯をたどる形で再構成したものとのことです。本書の「お…

上野泰也『依存症の日本経済』、孔麗編『現代中国経済政策史年表』、伊藤元重編『リーディングス格差を考える』

そういえば上野さんの前著の感想文を書くといいながらまだ書いていませんでしたが(笑、先日韓リフ先生がご紹介されたように、又しても新著が出ています。テンポ速いですねぇ。こちらも参考したいところです。『現代中国経済政策史年表』は何かのときの資料…

丸山徹『ワルラスの肖像』

まだ未見でありますが、丸山先生のワルラス論は楽しみ。各章の内容・構成を見る限りだと、様々な経済学者とのかかわりや一般均衡理論そのものの内容についても解説も取り入れられているような雰囲気ですね。面白そうです。 第一章 一八七〇年前後 ――ウィーン…

今年の大河ドラマ等々が楽しみ

本日から仕事初めなのですが、雑事に忙殺されております(汗。毎年大河ドラマは楽しみにしているのですが、今年の『天地人』も楽しみ。直江兼続という人がどう描かれるのかが興味深いところです。昨年既に原作本の天地人は読んでいますが、第一話を見る限り…