丸山徹『ワルラスの肖像』
まだ未見でありますが、丸山先生のワルラス論は楽しみ。各章の内容・構成を見る限りだと、様々な経済学者とのかかわりや一般均衡理論そのものの内容についても解説も取り入れられているような雰囲気ですね。面白そうです。
旅の経済学者/ウィーン会議(一八一四)/ウィーン体制の崩壊/
二月革命(一八四八)/ドイツの発展/普墺戦争/普仏戦争(一八七〇)/
イタリアの統一/新教授就任/ガーヴ・ド・ポー河の谷間にて/
静かに行く者は健かに行く第二章 経済の均衡
――ワルラスが見た世界現代経済理論の共通感覚/経済均衡の古典的事例――スミスとリカードォ/
ワルラスの実験装置/純粋交換と主体の行動/市場均衡/
一般均衡の解法(その一)――ワルラス法則/
一般均衡の解法(その二)――相対価格の決定/
フィッシャーの一般均衡体系/価格の調整作用/純粋競争の仮定について/
生産を含む一般均衡/マーシャルの一般均衡理論/マーシャルとワルラス
第三章 革命期フランス数学の明暗
――コンドルセからクールノーへクールノーの数理経済学/需要函数/一般均衡への助走/独占と競争/
数学解析の方法/ フランス近代数学の群像/コンドルセと社会数学/
革命とコンドルセの悲劇/コンドルセと『夜霧よ今夜も有難う』/
ポアッソンからクールノーへ第四章 欲望の価値学説
――アリストテレースからガリアーニへ父から子へ/効用思想と正価思想の起源/中世正価思想の主観的性格/
中世正価論の社会経済的背景/
近世イタリアの効用思想(その一)――B・ダヴァンツァーティ/
近世イタリアの効用思想(その二)――F・ガリアーニ第五章 効用と需要
――常識から科学へ科学の言葉としての効用/需要函数の導出/
効用の可測性をめぐって(その一)――量としての効用/
効用の可測性をめぐって(その二)――ポアンカレとワルラス/
効用函数の形態と連関財の問題/比較静学/ジェヴォンズとワルラス第六章 生産と分配
――書簡から読みとる人間模様リカードォの差額地代説/リカードォからウィックスティードへ/
ヴィーザーからヴィクセルへ/限界生産力説/ウィックスティード対ワルラス/
ローザンヌの状況/失われたバローネの論文/限界生産力説の位置づけ/
アムシュタインの貢献第七章 イタリアのローザンヌ学派
――パレートの育む均衡理論の苗床ローザンヌ学派のイタリア的特性/師と弟子/イタリアの政情/
大衆民主々義への攻撃――甦るマキャヴェッリ/不和の原因/
パレートの一般均衡理論/ヴォルテッラ(その一)――統一イタリアの科学界/
ヴォルテッラ(その二)――経験主義/積分可能条件(その一)――その意味/
積分可能条件(その二)――アントネッリとワルラス/
ワルラスを超えて――パレートの社会学第八章 ウィーンの世紀末
――数学・哲学そして経済学ウィーン――華麗なる没落/メンガーの経済学/総合的ア・プリオリ/
経験論の立場/先験論の立場/科学の限界/メンガーの先験論と実在論/
第一次世界大戦への道(その一)/ 第一次世界大戦への道(その二)/
サラエヴォの銃声/メンガーのセミナー/ウィーンの数学と哲学/枯葉のように終 章 ワルラスの孤影
どこかで書いたような記憶もありますが、大げさに言うと僕の経済学徒としての行く末に大きな影響を与えたのは丸山先生の『経済数学講義』の巻末にあった凄まじい勉強の記録であったわけです。勿論、先生に倣ってより精進しようというのではなく別の方向ということですが(笑。結局のところ今にして思うと自分にとってはその方が良かったんだなぁと感じます。後はジェヴォンス評伝も面白かったなぁ。懐かしい。
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