Congratulations for winning the Nobel Price, Professor Krugman!

 下馬評は必ず当たらないとの評価通り、今回も当たりませんでしたね(笑。随分前(6年以上前かな?)来日されたとき「恐慌の罠」にサインをもらったミーハー者ですが、これまでの業績を考えれば当然の受賞でしょう。
 こうなると誰がクルーグマンの業績についてこの国で語るのだろうか・・・新聞等のマスコミ報道が楽しみなところ(笑。まさか、It's Baaack!についてふれないとかそんな話はないよね??w インフレターゲティングというと基地外と目されるこの国ではありえるんだろうなぁ・・・。欝だ。


恐慌の罠―なぜ政策を間違えつづけるのか

恐慌の罠―なぜ政策を間違えつづけるのか

(追記)
 知人から地底人と同類なIT専門家?のブログに奇妙な話が書いてあるという話を聞きましたが、お笑い草ですね。受賞業績についてまともに判断すら出来ないようですから読まないのが吉。そんなに文句を言いたいのなら業績上げてから言えといいたいところ。

(追記2)
 やっと時間が出来た(汗ので書いておくと、上のIT専門家の方はノーベル賞の受賞理由を読まれてなぜ「戦略的貿易政策」の理論が浮かんだんでしょうかね・・?理由が分からん。
 ノーベル賞の受賞理由で記載されているのは、新貿易理論の話でしょう。つまり、規模の経済性と不完全競争を導入したモデルを構築することで比較優位では当てはまらない現象(同一国で同種の財が輸出され、かつ輸入されているのはなぜなのか?)を説明したというものです。近年では個票データの利用が可能になってきたこともあって、クルーグマンモデルやディキシット・スティグリッツモデルで考慮されていなかった企業の異質性や生産性の格差といった要素の重要性がクローズアップされてきており、Melitzのモデルでは確率分布で生産性の格差を取り込んだり、一国の産業というくくりで見た場合にその中に含まれる企業の異質性に着目した実証分析が進められています。このような流れの基点の一つとなっているのがクルーグマンの業績でしょう。
 同様に受賞理由では空間経済学の話にふれていますが、規模の経済性(輸送コストの低減)が都市化・産業高度化を後押しする要素として作用することを明確化したのもクルーグマンの業績でしょう。

http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2008/info.pdf
http://nobelprize.org/nobel_prizes/economics/laureates/2008/ecoadv08.pdf

(追記3)
 HicksianさんからTBを頂きましたが、上で書いている話の意味はHicksianさんが補足いただいたとおりです。どうもありがとうございますm(@)m さてDSGEについてもそうですが、IT専門家な方はそもそも経済モデルを作ったり実証したりしたことがないんでしょうね。まぁそれは仕方ないですかそうですか・・・orz....

(追記4 10/16)
 クルーグマンご自身が受賞対象の業績について纏めていますね。詳細は(http://krugman.blogs.nytimes.com/2008/10/15/about-the-work/)をご参照ください。新しい貿易論=戦略的貿易政策と捉える方は引用元にある以下(特に最後の部分)を御読みください。

You may ask, where’s the policy implication of all this? Actually, the policy morals are fairly subtle – for example new trade theory does suggest a possible role for government interventions, but also suggests bigger gains from trade liberalization. Mainly my work in trade and geography was about understanding the world, not driving a political agenda.