ジョン・ケネス・ガルブレイス『大暴落1929』(村井章子訳)

 大恐慌と今般の金融危機との比較を試みた論説がこのところ多く見受けられるようになりました。論の進め方は論者によって様々で一方の極に立てば「大恐慌なみだから危ない」という話もありますし、一方の極に立てば冷静な評価もあるといったように玉石混交の感がありますが、最近のもので出色なのは韓リフ先生が取り上げられている安達さんのVOICE論説と先日取り上げた若田部先生のエコノミスト増刊号論説でしょうか。
 大恐慌を扱った書籍で定番なのは様々ありますが、最近装いも新たになって入手しやすいのはガルブレイスのこちらですかね。今般の金融危機を考えるにあたって、仮に大恐慌と今般の危機が同様の形で推移するのならば現在はどの段階に位置づけられているのかとか、もしくはFRBの対応はどのように異なるのかといった点を想起しつつ、考えながら読むのが乙な楽しみ方でしょうか*1

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

大暴落1929 (日経BPクラシックス)

*1:大暴落で検索すると危うく別の本を選んでしまいそうになりますが、決して選んではいけませんww あしからず