今年を振り返って

 下でごちゃごちゃと予定を書いてみたのですが、年末営業のせいかほぼ無理な状況と相成りました。
今年もブログを通じて色んな方からコメントを頂いたのですが、勉強させられることしきりでした。ということで僕の中でインパクトのあった事件(経済に限る)をランダムに並べてみることにします。


1.日銀量的緩和解除
 まぁやるだろうなぁ・・・と思っていたわけですが、本当に断行しましたね。結局以降の景気を見ていくと、踊り場状態からズルズルと脱却できない状況を作り出してしまったのではないかとも推察します。デフレ回復宣言とはなりませんしねぇ。福井総裁のスキャンダル騒動とかありましたねぇ。もうお辞めになっても良いのではないかとも思いますが、次期総裁が誰になるかが興味深いところです。


2.ホリエモン&村上代
 ヒルズ族をある意味代表する二人ですが、結局最後までヒーローとはなりえませんでしたね。小泉郵政選挙の際にホリエモンに熱狂していた人々はどのように見ていたのでしょうか。皆が凌ぎを削る中でそうそうは業績を大幅に増加させていくことなんて出来ないという極あたり前の事実が再確認されたのではないでしょうか。


3.小泉政権→安倍政権へ 
 散々旧ブログでも話題にしてきたのですが、小泉政権が何をなしえたのかについてはこれから判断される側面も多いとは言え、「今困っている人々をどう救うのか」について正面から取り組まなかったという意味では残念でしたね。安倍氏も同様ですが、参院選が終了した後に安倍氏がどういう政策をとるのかを見ていきたいところです。政府と日銀との政策的な連携の必要性、構造的政策のみならず総需要に働きかける政策を重視すべき、という感想を持っています。


4.格差社会
 今日も外に出たら民主党の議員が合唱していましたが、「格差社会」についての議論が多々なされる年でしたね。どの局面(世代間、雇用者等々)で格差を見るのかによっても異なりますが、今年でかなりの論点は出尽くしたと思います。ではどのようにして格差を是正していくのかということですが、3.とも関連しますがマクロ経済政策の重要性、という視点を現在の政権の方には持ってもらいたいですね。


5.成長か増税
 古くて新しい話題。長期的には金利>成長率という理屈が成り立ちうるのかもしれませんが、さて短期的にはそうでないわけです。いずれにせよ、僕の中では以前取り上げた野口先生の論説でもある、「デフレを脱却し、経済が安定的な成長経路に乗るまでは増税等を行わない」ことが大事だと思います。


6.世にも不思議な政策論議
「潜在成長率目標=GDP成長率目標」という話には飛躍があるという議論は本ブログでも散々行ったわけですが、経済学の理屈に即しておかしな議論がこのところ政府当局から出されているように感じます。あとブログではエントリしなかったのですが道路特定財源の見直し(一般税化)とか。受益と負担の原則を無視した議論ですよね。


7.対外経済
 我が国の景気拡大は対外経済の好況に支えられている側面が大な訳ですが、2000年以降の中国の位置づけの拡大、米国の好況と経常赤字の拡大といった点は特徴的な出来事でしょう。私個人は円安・ドル高局面が今後も持続するとの考えです。我が国は東アジア諸国とのFTAを進めているわけですが、どのような経済連携を目指していくのか、政策合意の場としてどのチャンネルを使っていくのかを改めて再考する必要があると思います。
 例えばAPECの位置づけが低下する中でASEAN+3という枠組みで具体的議論がなされているわけですが、こちらもASEAN+6、さらにEFTAを考慮すれば結局APECに結びついていくわけですし、またマルチ(WTO)とFTAの仕分けをどうするのか、という論点も重要でしょう。アジア経済圏の中に我が国がどのように関わるかという意味では通貨統合や通貨システムの議論も深めていくべきだと思います。


本年もどうもありがとうございました。来年は(出来れば)もっとエントリの数を増やしていければと思うところです。