米倉茂氏「落日の肖像−ケインズ−」
たまたま本屋に立ち寄った際に気になったので買ってみました。
(表紙のケインズの肖像画が好きだという理由もありますが・・)
晩節のケインズはこれまで語られていない、ブレトン・ウッズ体制の構築においてケインズが果たした役割を元にしてケインズを経済学体系を洗い出す試みはなされていない、1930年代〜40年代の経済情勢とケインズの言動を重ね合わせて分析する視点が弱い、という点に不明のまま日本のケインズ学者はケインズを語っているという指摘から始まり、埋没するケインズ像を浮かび上がらせるというのが本書の視点のようです。日本金融学会で発表された論文が元になっているんでしょうかね。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsme/kinyu/pdf/05f/05f216-yonekura.pdf
米倉先生が言われている点の具体的な側面は本を読んでいないのでよく分かりませんが、いずれにせよ興味深そうです。
あとこちらの書籍はイプシロン出版から刊行されていますが、この出版社から再刊された西部邁氏の「ケインズ」(再刊済)、「ソシオエコノミックス」(近刊)も興味深いですね。大学の時に訳も分からない状態で読んでいたのですが、再読するとまた感想も違ったものになるのかなと思っています。
余談ですが、西部氏の「大衆への反逆」、「サンチョキホーテの眼」、「批評する精神」とかは懐かしいなぁ〜。熱に魘されるように読んでましたね。経済学批判全開の思潮が流行っていた時でしたが、自分の中では経済学批判の中で経済学を勉強するという矛盾した状況というのを楽しんでいたような気がします。
- 作者: 米倉茂
- 出版社/メーカー: イプシロン出版企画
- 発売日: 2006/03
- メディア: 単行本
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