デフレが世界経済最大のリスクになる?

デフレが世界経済の最大のリスクになる公算も−仏ソシエテとドイツ銀(http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=a9B7pjK2EcQQ&refer=jp_home

リンク切れの可能性があるのと重要な点だと思うので、全文引用させていただきます。このような認識が我が国のエコノミストにおいてほぼ皆無のような気もしないではありません*1が、欧州のエコノミストからこのような話が出てくるという点が興味深い。

 7月11日(ブルームバーグ):10年前にアジア危機を予言した仏銀大手ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、アルバートエドワーズ氏は、世界経済にとっての最大のリスクが近いうちに物価上昇からデフレに代わる可能性があると、金融当局者らに注意を促している。
 エドワーズ氏はインタビューに応じ、「インフレ懸念は行き過ぎであり、世界的なリセッション(景気後退)と商品バブルの崩壊に伴いデフレ懸念が再び強まり得る」と説明した。調査会社トムソン・エクステルの投資家調査で、エドワーズ氏は現在まで7年連続で欧州のグローバルストラテジスト部門の1位に選ばれている。
 欧米の消費者物価は2009年末までに下落し始めるというエドワーズ氏の予測は多くのエコノミストの見方と異なるが、国際決済銀行(BIS)が先週発表したリポートで示した、世界経済の一段の加速はデフレを引き起こすリスクがあるとの認識と一致する。
 またドイツ銀行エコノミストらは、世界の中銀が利上げを実施するなか、当局者らは政策の180度の転換を強いられる可能性があると指摘する。
 ドイツ銀のエコノミスト、ピーター・フーパー、トーマス・マイヤー、トーステン・スロックの3氏は7日付のリポートで、「現在はあり得ないように思えるが、デフレ懸念が再燃し、政策金利は数年前の低水準まで再び下落する可能性がある」と分析。悪性インフレよりデフレが起こる可能性が高いと予想した。

(追記)ブクマで疑問が呈されていましたので簡単にコメント。引用箇所に関して言えば、「世界的なリセッションと商品バブルの崩壊に伴いデフレ懸念が再び強まりうる」との指摘なので、原油価格は現在のように高騰ではなく下落(もしくは伸び率が停滞)していくという見立てだと思います。世界的なリセッションが進むことで購買力が停滞することと、商品バブルが崩壊することでインフレ懸念が剥落していくことによりデフレが生じるというものですね。

*1:当ブログをご覧の方はご存知だと思いますが、私個人の認識はhttp://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080122/p1の通り、特に日本においてはこの懸念が高いと以前から認識しているところです。