「この経済本がすごい!!」から思う

 今週の東洋経済の特集は「この経済本がすごい!!」です。2006年上半期ベスト100ですね。
韓リフ先生のブログでも取り上げられていますので重複箇所はありますが、当ブログでも取り上げた書籍が多数上位に食い込んでいて嬉しいです。「日銀はだれのものか」と「ゼロ金利との闘い」、「世界デフレは三度来る」と「脱デフレの歴史分析」といったように同じテーマで異なる視点からの分析を行っている書籍がほぼ同じ順位というのは興味深いですね。選考諸氏の見えざる手が働いたということでしょうか。
 あまり参考にならないと思いますが、今年に入って読んだ書籍の中で僕が良いなぁと思った本を順不同で挙げるとすれば、本特集でも取り上げられていますが、臨場感あふれる筆致で日銀の政策を描いた「日銀はだれのものか」、分かりやすく日本経済の将来を論じた「ゴールデン・サイクル」、「構造」を明示したバランスが取れた日本経済論である「日本経済の構造変動」、過去のデフレに何が生じていたのか・そのメカニズムを勉強できた「世界デフレは三度来る」、「脱デフレの歴史分析」、バーナンキ・広く最近のマクロ経済学を解説した「ベン・バーナンキ」、90年代後半の日本の経済政策論争を総括した「エコノミストたちの歪んだ水晶玉」、そして読んで経済学の可能性を感じさせてくれた「障害者の経済学」といった所でしょうか。これらの本は一読に値する書物だと思います。
 あとはランキングを見ていて気になったのですが、上位に翻訳本が来ているという点が特徴でしょうか。「ヤバい経済学」、「フラット化する世界」、「物理学者、ウォール街を歩く」、「富の未来」、「孤独なボウリング」・・・僕が読んだのは「ヤバい経済学」のみですが、「物理学者、ウォール街を歩く」は読んでみようかななんて思っています。
 ちょっと意外だなぁと思ったのは最近刊行されたからかもしれませんが、「コルナイ・ヤーノシュ自伝」がリストに無いことです。夏に差がつく300冊の一冊に堂々入る書籍だと思っているのですが。これはお勧め。万人受けは難しいかもしれませんが、「インフレ目標と金融政策」とか「スティグリッツミクロ経済学」、「統計学を拓いた異才たち」といった書物も多くの人に読んでもらいたいと思います。「インフレ目標・・」、「スティグリッツ・・」のお勧めコメントは個人的には興味深かったですw

 しかしこのところ良く読んでるなぁ・・と思っていたのですが、中々主要50冊を読み切るには遠いですね(別にその必要もないんでしょうが)。やはり経済オタクへの道は遠いorz...