MAKING THE MOST OF GLOBALISATION

 東洋経済の厨銀総裁論説で血圧が上がる昨今です(笑)が、それはさておき。New Economistでグローバル経済のインパクトについてのOECD ECONOMIC OUTLOOKの論説が紹介されていますが、これはよく纏まっています。一読の価値あり。(http://www.oecd.org/dataoecd/21/32/38628438.pdf


 パラパラと図表を見ていくと興味深い表がいくつかありますが、2000年以降のグローバル化の進展(中国及びインドの参入のインパクト)が人口規模として大きなものかというのはFigIII.1.を見ると明らかです。ただ、増えているとは言え、一人当たりGDPには大きなインパクトを与えないんですね。関税や情報コストの低下、交易の増加、直接投資の伸び、外国人労働の増加(こちらは国により違いはありますが)、賃金格差は高まっているが、不平等度は特段高まっていないこと、米国に流れる資金、Global Moderation、フラット化するフィリップスカーブ、法人税の低下&増収基調・・といったところです。


 我が国の場合も労働及び資本の賦存度合いを考えると、中国のような大きな成長は見込めないわけですが、となると比較優位産業はいかに海外市場から利益を得、それを国内に還流させていくのか、国内産業は適切なマクロ政策を伴いつつ、いかに生産性を高めていくのかが重要なのでしょう。図表を眺めながら改めてグローバリゼーションのインパクトの大きさを感じました。