凄い話(追記あり)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35252520081204?feedType=RSS&feedName=topNews

 ROMっているつもりでしたが、凄い話になってきました。最近公表の経済指標も凄いことになっていますが、この話が現実化した場合の効果が実際にどのようなものなのかを見てみたいものです。不謹慎ですみませんが、まぁ本気ということですね。

(追記)
 久々に見た苺(通称ドラエモンブログ)でのドラエモンさんによる解説。
量的緩和どころじゃないよ。「量的緩和」は単にブタ積みを増やして利上げまでの時間稼ぎの効果(時間軸効果w)しかない。だが、長期国債買いきり+インフレ/景気へのコミットは明らかなシニョリッジ政策。外為市場介入と非不胎化より強力な景気対策でしょう。』

 よって凄い話ということですね。

・・・とこれだけでは淋しいので(笑、ベン・バーナンキ高橋洋一訳)『リフレと金融政策』、日本経済新聞社から印象的な箇所を引用してみましょう。多くの方がご存知のところだと思いますが、我が国のデフレに対してバーナンキが講演した中の一節です。今後のFRBの政策は基本的にはバーナンキがかつて日本について指摘した以下の処方箋を目指していくということだと思います。そして今の我が国の経済政策に対する処方箋としても通じるものでしょう。

 ここでの私の論旨は、日本の金融・財政当局間の協力が、それぞれの政策担当者が単独で直面している問題を解決するのに役立つということです。たとえば、日本銀行による国債の買い入れ額の増加と明らかに一体となった家計と企業に対する減税を考えてみてください−したがって減税は結果的に通貨創造によってファイナンスされています。さらに、日本銀行が、物価水準目標を公表することによって、景気回復をコミットしたと仮定してみます。そうすると、マネーの増加の大部分あるいはすべてが恒久的だとみなされます。
 この計画では、日銀のバランスシートはボンド・コンバージョンプログラムによって保護され、また国債は日銀によって買い入れされ、民間部門には売却されないため、債務残高についての政府の懸念は緩和されています。さらに、消費者と企業は減税の大きな部分を貯蓄ではなく支出に向けようという意思を持っているはずです。かれらは手許に余分な現金を持っていますが、−日銀が減税額に等しい額の国債を買い入れるために−将来の増税を示唆するような現在あるいは将来の債務償還のための負担は発生しません。要するに、金融政策と財政政策が一体となって家計部門の名目財産を増加させ、これが名目支出ひいては物価を増大させるのです。金融政策の拡大効果を伝達するこの手段は、銀行部門の健全性とは無関係であり、金融施策の伝達経路が「破壊されている」ことに対する日銀幹部の懸念を払拭するものです。またこのアプローチは、日銀は物価水準目標やインフレ目標を達成するための「手段がない」という日銀幹部の疑問にも答えています。
 日本財政の悲惨な状態を考えると、減税の勧めは無責任なことではないか?その反対です。財政の観点からすると、この政策は、債務対GDP比率を減少させるという意味で、まず間違いなく安定をもたらすものなのです。名目支出の増加により名目GDPは上昇しますが、日銀による買い入れがあるので市中にある政府債務の名目額は変わりません。日本財政の悩みを減らすためには、名目GDPひいては税収の健全な増加ほど効果的なものはありません。
 金融と財政の協力が果たす役割の可能性は、政府が行う減税に対する日銀の支援だけにとどまりません。日銀による国債の買い入れはまた、たとえば産業の再構築を促進するなどの、政府の支出計画をも支援します。日銀による買い入れは、家計部門が考えている国債の元利負担に対する新規支出を減らします。これはまた消費の減少に対応するための政府支出も減らすはずです。より全般的には、日銀による国債買い入れは、元利負担のある債務をそれらがないマネーに換えることにより、現状の赤字と元利負担、ひいては将来の税負担についての国民の期待感を低下させます。もちろん、何事もただで手に入るというわけにはいきません。財政の観点から見れば、国債のマネタリーゼーション(国債とマネーとの代替)が増加することは、一般の税金をインフレ税に置き換えたにすぎません。しかし、デフレに取り付かれた日本という脈絡でいうと、インフレ(およびこれと結びついた名目支出の増加)を多少創出することは、景気回復と不稼動資源の再活性化を促進するという目的達成に役立つでしょうし、ひいてはこれが税収増をもたらし、政府の財政状況を改善することになるでしょう。 

リフレと金融政策

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