スパゲティボール現象

別の話題のエントリを考えていたのですが、諸事情によりまして明日以降に書く予定@@;
ということで、提題の件です。

バグワッティが提起したFTAに関するスパゲティボールの議論ですが、東大の小寺氏が「スパゲティボール現象」について議論しています。「自由貿易の道」(ダイヤモンド社)においてもバグワッティは原産地規則について特恵の網が効率的な資源配分を阻害するという点を指摘して「スパゲティボール現象」を定義している訳ですが・・・。

複雑な原産地規則(製品の原産国を決める規則)を作ると原産地の確定が難しくなって、ビジネスコストさらには行政コストが上がり、さらに複雑な原産地規則がFTAごとに違うと、企業も行政もますます理解が難しくなり、使いこなすコストが高くなる。ある人の「スパゲティボール現象」の理解である。またFTA知的財産権規定を置く場合に、FTAごとに規定内容が違うと知的財産権に関する国内規制が錯綜する。知的財産権に詳しい方の「スパゲティボール現象」の説明である。国内規制の錯綜を「スパゲティボール現象」と考えれば、知的財産権以外の分野、たとえばダンピングやセーフガードにも当てはまる。こう考える人が多い。

小寺氏は以上の国内法の適用の仕方に伴う煩雑さについて「スパゲティボール現象」とよぶ理解を「和製スパゲティボール現象」と呼び、バグワッティが提唱した「スパゲティボール現象」と区別しようと論じています。つまり法律上の煩雑さは効率的な法制度の運用をどうするべきかという問題なのに対して、「スパゲティボール現象」はFTAが内抱する「特恵」が経済的非効率を生み出しているのではという指摘です。FTAの適用が規範的な側面で正統化されるのは将来的にFTAが多角的な貿易自由化の枠組みに収斂していくかどうかだと思います。

詳細は以下(http://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0193.html)。