中国自動車部品メーカーの発展の秘密
若田部先生の論座今月号の論説*1からDani Rodrik's weblogの存在を知り、アンテナ登録した一人目は私です(笑)。
ということで、Dani Rodrik's weblog(http://rodrik.typepad.com/dani_rodriks_weblog)の話題から。
NTで中国の自動車部品メーカーが世界を征服し始めているとの記事が出ているが、なぜそうなったのかということについて議論がされている。(http://www.nytimes.com/2007/06/07/business/07parts.html?_r=1&oref=slogin)
Rodrikによると、人的&物的資源の充実、安定的なマクロ経済、為替レートといったファンダメンタルズはこの成功の理由の一部を説明するに留まっており、重要な要素として産業政策の成功があると論じている。そして産業政策の成功としては以下の3つが挙げられている。
・外資系企業の受け入れに際して、中国企業との合弁事業を要望し、海外から国内企業への技術移転を確実にした事。
・国内の自動車メーカーに対して、自国の自動車部品の使用を要望したこと(ローカルコンテント要望の適用)により中国自動車部品メーカーの育成を進めた事。
・国営企業は企業家を育成する土壌として機能した事。
さてRodrikもふれているが、これら3つの要素が無かった場合、何が生じたのかを推測するのは難しい。中国では様々な産業振興策が執られているが、これは中国の経済成長にどの程度寄与しているのだろうか。中国自動車部品メーカーの例は市場原理と産業政策との絶妙な融合の一例とみることが出来るのだろうか?
(追記)
余談ながら移民に関しての論説とかも面白いですね。読み進めると止まらなくなるのが何ともですが(笑)。
*1:こちらについてもいずれ感想を書く予定