粕谷一希『戦後思潮 知識人たちの肖像』

　経済関連の積読本を読み終えたら、手にとってみたい一冊。粕谷氏の著作ですと河合栄治郎に関する本（『河合栄治郎 闘う自由主義者とその系譜』、日本経済新聞出版社）を随分前（高校生くらいの時）に読んだ記憶があったのですが、これって発売されたのが1983年なのか・・。とすると刊行されてから随分経って読んでたんだなぁ。

一応取り上げられる方々はこのような感じ。大変懐かしい。81年に日本経済新聞出版社から刊行された本の再刊ですが、新しい方が嬉しいので、こちらを読もう。本題とは関係ないですが、ハウツー＆御勉強法本や小論文と変わらないような文庫本が並んでいる本屋に行くたびに昔の本の良さを再確認してしまうのは懐古趣味なのでしょうか・・。

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序　知識人とは読書人

はじめに

第１章　戦争と平和
高村光太郎／田辺元／川端康成／小林秀雄／保田與重郎／高坂正顕／ 高山岩男／鈴木成高／西谷啓治／近衛文麿／和辻哲郎／石原莞爾

第２章　復活者たち
三木清／河合栄治郎／津田左右吉／柳田国男／永井荷風／谷崎潤一郎／石橋湛山／吉田茂／南原繁／大内兵衛

第３章　登場者たち
太宰治／坂口安吾／武田泰淳／大岡昇平／野間宏／椎名麟三／梅崎春生／三島由紀夫／福田恆存／竹内好／花田清輝／丸山真男／大塚久雄／ 田中美知太郎／今西錦司

第４章　近代化の流れ
川島武宜／桑原武夫／中村光夫／加藤周一／中村真一郎／福永武彦／ 鶴見俊輔／清水幾太郎／唐木順三

第５章　平和と革命
竹山道雄／松田道雄／尾高朝雄／戸坂潤／猪木正道／梅本克己／ 小泉信三／山川均／井伏鱒二／中野重治／宮本百合子／石母田正／ 遠山茂樹／久野収

第６章　動乱の季節
広津和郎／堀田善衛

第７章　沈黙と内向の世代
吉田満／阿川弘之／吉行淳之介／安岡章太郎／遠藤周作／服部達／ 村松剛／いいだもも／谷川雁／吉本隆明／橋川文三／上山春平／島尾敏雄

第８章　歴史観の転換
石田英一郎／大島康正／林健太郎／小島祐馬／羽仁五郎／亀井勝一郎／梅棹忠夫

第９章　大衆社会のなかで
吉川英治／大佛次郎／長谷川伸／子母沢寛／山本周五郎／獅子文六／ 石坂洋次郎／舟橋聖一／石川達三／井上靖／笠信太郎／松本清張／ 大宅壮一／司馬遼太郎

第10章　高度成長への道
蝋山政道／中山伊知郎／東畑精一／松本重治／池田勇人／都留重人／ 伊藤整／石原慎太郎／坂本二郎／開高健／山口瞳／北杜夫／下村治／ 小宮隆太郎／江藤淳

第11章　前衛精神の模索
林達夫／石川淳／安部公房／藤田省三／萩原延寿／大江健三郎／ 坂本義和／松下圭一／伊東光晴／福田善之／小田実

第12章　成熟への道
高坂正堯／永井陽之助／村上泰亮／山崎正和／山本七平／土居健郎／ 丸谷才一／野坂昭如／井上ひさし／山口昌男／京極純一

〈解説対談〉 「新古典」のすすめ　御厨貴＋粕谷一希

戦後思潮―知識人たちの肖像

（追記　11/6　12：30）
　本屋で購入してパラパラと眺めていますが、再刊に尽力された御厨先生が推すのも頷けますね。個々の人への言及は見開き一頁なのに、何となく各時代の全体像が分かってくるという本。粕谷氏と御厨先生の解説対談も面白い。