10月時点の円高局面を考慮した名目実効為替レートの要因分解

 ※方法論等についてはこちらをご参照ください。同じネタでスミマセン。

昨日、我が国の実効為替レートの値(10月分)が公表されました。以前のエントリでは2008年9月までの値を元にして名目実効為替レートの対前期比変化率を実質実効為替レートの変化の寄与と相対価格変化の寄与に要因分解したわけです。
以下の図は財務省及びFRB資料から日米の名目実効為替レートの要因分解を行っています。いずれも2008年10月まで、グラフの縦軸目盛りは共通としています。
まず分かる点は、10月の円高局面の変化はこれまでの円高局面と比較しても大きな変化率(11.25%)であること、その中で実質実効為替レートも大きく増価していますが、相対物価の上昇(つまり海外物価の伸びが大)が大きく影響している点が見て取れます。
米ドルについてみると、10月のドル高の動きは大きいことがわかります。8月以降は名目及び実質実効レートは増価しているわけですが、このような動きを見ているとドル崩壊が訪れるのはまだ遠そうですね(笑。特徴としては、我が国と比較して為替レートの動きは緩慢であるということ、そして実質実効レートの寄与が大きいという点です。

図:日米名目実効為替レートの寄与度分解

図:日米名目実効為替レート、実質実効為替レートの推移(2008年10月まで)