池波正太郎「真田太平記」を読む。

 文字通り大部の著作であり、一言では言い表しがたい読後感があるのですが、武田氏が滅亡した後にどのように生き残るか腐心した真田昌幸、信之、幸村の生涯を描いた本です。信長、秀吉、家康といった天下人の中にあって、一国一城をどのように守りきるのか、武士の意地を通しぬくのか、といった点に感得されながら読みました。
 小勢をもって家康軍に手痛い一撃を食らわせたり、有名な関が原の戦いで秀忠軍を遅参させる役割を果たしたり、大阪冬の陣での真田丸、夏の陣での猛攻といった軍略に加えて、父や弟と行く末を違えて家康に心中する信之の行いや、草の者の暗躍・・といった形でネタがてんこ盛りです。
 遥か昔にNHKの水曜時代劇で放映されていましたが、こちらもあわせてチェックしたいところ。そして池波氏の著作では他にもいくつか俗にいう「真田もの」がありますね。さすがに真田太平記12巻読み通すのは時間がかかりましたが、又今度他の「真田もの」に手を出してみたいところです。

真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)

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真田騒動―恩田木工 (新潮文庫)

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