経済(海外)

年内のエントリー予定

今年も後数日となりました。少し前に観測された乱高下の相場模様と同じく、今年は個人的にも大きな浮き沈みがあった年でした。酷く落ち込んだ出来事もあった後、とても嬉しかった出来事もあり・・・。因果応報を実感します。何とか今後は安定成長へと持って…

FRBの金融政策と正念場を迎えた我が国の経済政策

12月15日・16日のFOMCでFRBは政策金利であるFFレートをゼロ%〜0.25%にすることを決定した。ゼロ金利への移行は米国にとっては初めての経験であるが、今後は既に公表されているア)連邦エージェンシー債及びMBS証券の買取りをより進めていくこと、イ)来年…

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米自動車救済法案めぐる上院協議は合意に至らず http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35403320081212ドル13年ぶり円高水準、米上院が自動車救済案で合意できず http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35403220081212酷い状況になっ…

世界1月号「特集 大不況」、エコノミスト12/22臨時増刊号「経済大転換2009」

日頃「世界」など読まないのであれですが、今回の「特集 大不況」は凄い内容ですね。宇沢先生と間宮先生の対談、高杉良氏による小泉−竹中路線の整理は面白そうかな。萩原氏による論説は・・まぁ読まなくてもわかりますが(笑、シンポジウム「経済危機の深度…

凄い話(追記あり)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-35252520081204?feedType=RSS&feedName=topNews ROMっているつもりでしたが、凄い話になってきました。最近公表の経済指標も凄いことになっていますが、この話が現実化した場合の効果が実際にどのようなも…

VOX EUから(メモ)

メモ代わり。週末時間があればこの辺りをネタにして何か書くかも。・John N Muellbauer,"Time for unorthodox monetary policy" (http://www.voxeu.org/index.php?q=node/2622)・Peter Auer,Raphael Auer and Simon Wehrmüller,"Assessing the impact of the…

ケチャップを買う人、評価する人、副作用を指摘する人

1.25日に発表された凄まじいFRBの金融対策の概要*12.(並べるのはご迷惑かもしれないが)それに関連して岡田さんのロイター論説*23.タイミング良く報道された白川総裁の量的緩和策に関する発言*3 以上の三つの報道・論説を併せ読んで私が感じたのがエントリ…

「経済史から見たサブプライムの衝撃(竹森俊平vs若田部昌澄)NB online」を読む。

NB onlineに竹森教授と若田部教授の対談が掲載されているのは既にエントリしたとおりだが、今回はその中で印象的な箇所を中心に纏めつつ私見を交えて感想を書いていくことにしたい。もう日も大分経ってしまったので御読みの方も多いだろうが、「読ませる」内…

クルーグマン教授会見「大不況克服へ巨額財政出動せよ」(朝日新聞)を読む。

本日付けの朝日新聞でクルーグマン教授が記者会見を行った際の記事が報告されている。既にご覧の方も多いだろうが、まず指摘すべきは、なぜかは分からないが、「大不況克服へ巨額財政出動せよ」というタイトルは記者会見の内容からは不当であるという点だ。…

Laeven and Valencia(2008),Systemic Banking Crisis:A New Database

IMFのワーキングペーパーとして最近出たもの。VOX EUでも言及されていましたね。まだ熟読できていませんが、1970年から2007年までの金融危機の特徴(危機が生じる前の経済状況、危機が生じた際の政策対応、危機のインパクト)についてデータベース化して整理…

10月時点の円高局面を考慮した名目実効為替レートの要因分解

※方法論等についてはこちらをご参照ください。同じネタでスミマセン。昨日、我が国の実効為替レートの値(10月分)が公表されました。以前のエントリでは2008年9月までの値を元にして名目実効為替レートの対前期比変化率を実質実効為替レートの変化の寄与と…

竹森俊平『資本主義は嫌いですか』を読む(その3)

(その1)では第一部の内容を敷衍しつつ、著者の議論をもとにしてバブルを生み出す背景にある動学的効率性が満たされない状態(成長率>投資収益率)とは、成長率が金利(長期金利)を上回るという事態を意味しており、さらに金融緩和策は経済を動学的効率性…

Paul Krugman,The Return of Depression Economics and the Crisis of 2008、Robert J. Samuelson,The Great Inflation and Its Aftermath: The Past and Future of American Affluence

既に二冊ともご存知のところかもしれませんが、クルーグマンの著作の方は、「the Crisis of 2008」の部分を読みたいところ。サムエルソンの著作の方は兎に角読むwといったところでしょうか。The Great Inflation and Its Aftermath: The Past and Future of…

いわゆる「円安バブル崩壊」という話題について

この所の円高の進展を捉えて「円安バブル」の終焉などと言っている方が居るのだが、念の為にこの点について簡単に論じてみよう。円高の進展が「円安バブル」の崩壊だと論じる人々の議論はどのようなものだろうか。彼らの議論の根拠の一つは、まず実質実効為…

週刊エコノミスト11月14日特大号 特集「大不況」&「経済対策「自民対民主」」を斜め読む

一応末席の人間としては毎週チェックしているのですが、日頃頓珍漢な御説にお目にかかることが多い「エコノミスト」なのでほぼ紹介しません(笑。さすがに今回は状況を察してか、中々読ませる論説が並んでいます。印象深いところから簡単に紹介してみましょ…

こういう時節にこそ落ち着いて読むべき一冊とは?

といわれた時、諸兄諸賢の皆さんならどのような本を薦めるでしょうか。この所(と言いますかここ1年くらいそうかもしれませんが)直近の経済動向についてあれこれ頓着する題材が多いわけですが、「まぁちょっとモチツケ」とお思いの向きには、以下の書物な…

米国住宅バブルはいつになったら終わるのか?

今回生じている世界的な金融危機に伴う株安、為替相場の変動の根源は米国の住宅バブルの崩壊が大きく影響していることは衆目の一致した見方だろう。今般の金融危機が収束するには、各国政府当局の具体策がどの程度早期で実施されていくのかといった点が大き…

岡田靖『世界的金融危機、日本の教訓は生かされているか』を読む

ロイターインサイトコラムから*1。 今回の岡田さんの論説は、今回の金融危機に際して日本が踏んだ轍をFRBが踏んでしまった点について検討がなされている。詳細は御読みいただきたいが、一点目はリーマン・ブラザースの破綻処理、二点目はMMFと預金保険制度、…

アラン・グリーンスパン『波乱の時代 サブプライム問題を語る 特別版』(山岡洋一訳)

薄くて安価でグリーンスパン視点で見たサブプライム問題についての論説が書かれていて興味深い本です。色々と考え始めると結局『波乱の時代』の本編を取り出して読み直したりしているわけですが・・・・。発売当時よりもグリーンスパンの言葉が意味深に思え…

ジョン・ケネス・ガルブレイス『大暴落1929』(村井章子訳)

大恐慌と今般の金融危機との比較を試みた論説がこのところ多く見受けられるようになりました。論の進め方は論者によって様々で一方の極に立てば「大恐慌なみだから危ない」という話もありますし、一方の極に立てば冷静な評価もあるといったように玉石混交の…

竹森俊平『資本主義は嫌いですか』を読む(その2)

先週、世界を襲った金融危機は週末のG7における政府対応を好材料に株価の反転という形で始まった。尤も、米国ダウはサブプライムローン問題が喧伝されるようになった昨年中ばの14000ドル台を基点としてみれば9387ドルという水準は未だ頼りない水準であり、今…

Congratulations for winning the Nobel Price, Professor Krugman!

下馬評は必ず当たらないとの評価通り、今回も当たりませんでしたね(笑。随分前(6年以上前かな?)来日されたとき「恐慌の罠」にサインをもらったミーハー者ですが、これまでの業績を考えれば当然の受賞でしょう。 こうなると誰がクルーグマンの業績について…

今般の経済危機をどうみるか?

周知の通り、本年9月に入ってのファニーメイ・フレディマックに対する公的資金の投入、リーマンブラザーズの破綻、メリルリンチの買収、AIGの経営危機、そして10月に入っての世界同時株安というように、サブプライムローン問題に端を発する金融危機はより一…

「不良債権原因説」から金融危機を考える

昨今の金融危機の動向を見ると思い起こされるのはここ10年の我が国の状況であるが、我が国の不良債権残高(リスク管理債権残高)の状況はどうだろうか。金融庁資料からみていくことにしよう。図表はリスク管理債権残高を都銀・旧長信銀・信託と地域銀行とに…

「世界景気最前線」(エコノミスト臨時増刊号)

マイミクの方から教えていただいたもの。本屋で立ち読みしてから購入しようか決めますかね。昨日ご紹介した安達さん、若田部先生も寄稿されています。ご参考まで。http://www.mainichi.co.jp/syuppan/ecozoukan/

Daron Acemoglu教授のペーパー

なんといいますか、米国金融市場の動向の方で一喜一憂する昨今(憂の方が多いですかね)ですが、稲葉先生のブログ経由でAcemoglu教授のペーパーをメモ代わりに。成長戦略とかの絡みでは論文が言及している話は興味深いところかなぁ・・。http://www.treasury…

DSGEモデルの理解のために

つたないながらもコツコツDSGEモデルの勉強を進めていますが、その際にお世話になっている著作は以下でしょうか。Galiの本はコンパクトに纏まっていて良い感じです。適宜加藤涼「現代マクロ経済学講義」で補えばよいかと。又、パラメータ推計等々についてはD…

バーナンキの認識

明日は一日外出なのでまともな感想は書けそうにありませんがメモ。http://www.federalreserve.gov/newsevents/testimony/bernanke20080715a.htm

デフレが世界経済最大のリスクになる?

デフレが世界経済の最大のリスクになる公算も−仏ソシエテとドイツ銀(http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=a9B7pjK2EcQQ&refer=jp_home)リンク切れの可能性があるのと重要な点だと思うので、全文引用させていただきます。このような認識が…

住宅金融支援に関する米国の緊急声明

住宅金融支援へFRB融資 米政府が緊急声明 http://sankei.jp.msn.com/world/america/080714/amr0807140842000-n1.htm苺でも議論されていますが、例の如く迅速な対応ですね。コメントにもありますが、バーナンキ・ポールソンのコンビがどんな政策を繰り出し…